カンボジア旅紀行第二弾です。
カンボジア、特にアンコールワット観光の拠点シェムリアップでは乗用車はカムリしか走っていません。トラックやマイクロバスなどはトヨタだけでなくニッサンやベンツなど国際色豊かです。しかしこと乗用車となるとトヨタのカムリ一辺倒。
ナンバー無しのカムリも平気で走っているカンボジア|たまごやカムリにしても古いカムリもあれば新しいカムリもあります。日本ではビスタとして売られていたものもこちらではカムリという名で売られています。つまり町中カムリで溢れかえっているのです。そしてカンボジアでは乗用車のことを「カムリ」と呼ぶのです。実際乗用車はほとんどカムリですから、そう呼ぶことは全く正しい。
なぜにこれだけのカムリがあるのかというと、おそらくカンボジアは王国だからではないでしょうか?カムリとはトヨタの良心ともいえる車でその名前の由来は冠つまり王冠を意味します。王冠と名づけられたクルマを王を尊敬する国民が愛して乗るのはごく自然なことと思います。しかし、現地の人はそんなこともあまり気にせず、カムリに乗っているようですが。
カンボジア王国ではカムリしか走っていない|たまごや
日本ではカムリはどうでしょう。新型カムリも出たようですが、街中ではさっぱり見ません。日本での人気の無さは、価格が高いことと同じグレードではマーク2(現在ではMARK??「テン」)のほうがステータスが高いこと、そしてそのマーク2よりもクラウンのほうが売れることを考えると、カムリの出番はないといえましょう。
そしてもう一つの売れない理由。それは、カムリが王冠を意味するもの言葉ではありますが、同時に包茎「皮かむり」を想像してしまうことにあると思います。日本人は人種的に包茎が多いので、自分も包茎、クルマも「皮カムリ」では臆してしまうというのが売れないもう一つの理由ではないでしょうか。
余談ですが、昭和の終わりころ、ホンダでアコードとビガーが姉妹車として売られていたことがありました。アコードは売れましたがビガーは売れませんでした。なぜかというと、そのころ包茎矯正パンツに「ビガーパンツ」というのが雑誌などに必ず掲載されていて、ビガーと聞けば、あの雑誌に載っている包茎矯正パンツ、という連想がされたからです。本来「ビガー」とは「勇ましい」の意味。せっかくのネーミングが不運に終わりました。
そのパンツが売れたかどうかはわかりませんが、ホンダはビガーというクルマをあっさり廃止にしてしまいました。しかしトヨタは頑固にカムリを作り続けています。日本のクルマでカムリほどロングランなのに不運なクルマはないでしょう。カムリは実際には良い車なのに残念なことです。
日本ではことごとく失敗しているカムリですが、「王冠」ゆえ外国、特に王国では需要があるのかもしれません。カムリに興味のある人はカンボジアに行ってみましょう。右もカムリ左もカムリ、道路も駐車場もカムリだらけ。輸出用左ハンドルモデルから日本の右ハンドルモデルまで、全型式が揃っています。カンボジアはカムリ博物館。カムリのことを調べるのならカンボジアに来るべし。
2006.05.09