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[076]いつかはクラウン

いつかはクラウンという名セリフがある。山村聡と吉永小百合のCMが懐かしい。永遠の憧れの白いクラウン。そう。クラウンは白でなければならない。
クラウンはトヨタのフラッグシップカー。つまり大将であります。パブリカから始まり、コロナ、マーク2を経て、たどり着くのがクラウンです。クラウンは終点そして最高のクルマだからです。
こういうと異論があるかもしれないですね。トヨタにはセンチュリーが古くからあるし、今はセルシオというもっと世界に誇れるクルマがあります。
しかし、ここではあえてクラウンなのです。クラウンには歴史がありエンジニアや社員の思い入れがあります。セルシオは確かに良い車ですが、ベンツに代表される世界の名車に対抗して作ったクルマであり、それにまだ歴史や伝統がありません。
クラウンは1955年に初めて純国産車として最新のテクノロジーを盛り込まれて作られた、世界に誇れる【日本のクルマ】なのです。クラウンは文化そのものですからぽっと出のセルシオとは【格】の重さが違うのです。
当時のクラウンはダブルウィッシュボーンの優れた足廻り、充分な強度のボディとコイルスプリングを使ったやわらかい乗り心地、優れた操縦性など性能を誇っていました。また今では見られないハシゴ型のフレームを使っていたのも大きな特徴です。静けさと乗り心地を追求した姿勢は未だに受け継がれていると言っていいでしょう。
セルシオが発売された時、クラウンの開発陣は複雑な心境だったでしょう。自分らが手がけてきたクラウンを越えるものができてしまったからです。そこでクラウン人は考えました。セルシオと同じエンジンを積んでしまったのです。クラウン「V8」4リッターロイヤルサルーンGの登場です。大きいとはいえ3リッターでさえぎりぎりのエンジンルームに4リッターのエンジンを搭載してしまったその根性は鬼気迫るものがあります。
クラウンの伝統は6気筒エンジンですが、このV8エンジンを積んだ化け物クラウンの登場で私は往年のクラウンエイトを思い出してしまいました。そうです。大昔にクラウンのボディの幅だけを伸ばし、V8エンジンを載せたクルマがあったのです。そのクルマは公用車として活躍し、のちのセンチュリーの前身となったクルマなのです。
さて、クラウンにはマジェスタなるグレードがありますが、これはクラウンであってクラウンではないクルマです。セルシオを意識したマジェスタはクラウン人の苦肉の策であったでしょう。しかし、クラウンを愛するユーザーはマジェスタには振り向きませんでした。なぜならマジェスタはクラウンではないからです。
以前ハイソカーブームなんてぇのがありました。日産のシーマが火付け役とのことですが、ここでも最高峰はクラウンです。しかも、白のロイヤルサルーンGでなければなりません。このころは最新型のクラウンのみならず、昔のクラウンをどこからか見つけてきてドレスアップして乗っている若者がいたのも好ましい現象。文化の担い手だったといえるでしょう。
さて、バブルがはじけて世の中デフレと不況の風が吹きまくり、環境問題が最重視されている時代に「じゃあどうなんだ?」というとやっぱりクラウンなのです。
プリウスで先鞭をつけたトヨタのハイブリッド技術は、次世代のクラウンを誕生させました。もう大きく重たく不経済なクルマとは言わせません。ベンツやBMW、ボルボも良いクルマです。しかしそれらはそれぞれ異国の風土環境で育ったクルマです。
日本には日本の風土環境で育ったクラウンがあります。今年で46歳になる熟年クラウンに一度乗ってみてください。そうそう、色は白にしてくださいね。
●初代トヨペットクラウン
1955年式
エンジン形式:水冷直列4気筒OHV
排気量:1453cc
出力:48hp/4000min
フロントサス:コイルスプリングによるダブルウィッシュボーン
リヤサス:3枚バネのリジットアクスル
ホイールベース:2530mm
全長・全幅・全高:4285mm・1680mm・1525mm
車両重量:1210kg
●3代目クラウン
●オリジン
国内自動車生産累計1億台達成記念車「オリジン」を2000年秋に発売。
初代クラウンをモチーフとしている。価格は700万円以上。今はもう販売していない。

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