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[085]燃料電池自動車FCEV

電気自動車には色々な形式があります。一番オーソドックスなものは純粋な電気自動車。つまりバッテリーでモーターを駆動して走る自動車です。これが構造も簡単で一番クリーンで方法なのですが、充電しなければならない、バッテリーを大量に積まなければならない、そしてそのバッテリーは重い、ということでなかなかガソリン車のようなわけにはいきません。
そこで、そういった欠点を補った方式がホンダやトヨタなどが開発しているハイブリッドカーです。ハイブリッドとは「複合する」の意味があり、エンジンとバッテリーでモーターを駆動するという複数の方式の良いところを取り入れた方式で、現在では一番有望視されているものです。
今日お話するのは、現在のハイブリッドカーとは別の方向に進んでいる燃料電池自動車について。通常発電するには別に発電用のエンジンを積んでいるのが普通ですが、燃料電池車にはエンジンはついていません。しかし燃料は積んでいます。その燃料は水素です。その水素を燃やすのではなく、電池に注入して電池の中で化学反応させちょうど水の電気分解と逆のことをして発電する方法です。
電気分解はわかりますよね。水に電気を通すことでH2OをH2(水素)とO(酸素)に分ける実験は学校でやったと思います。これと逆のことをやれば今度は電気が起こるはずです。つまり、水素と酸素を反応させることで発電する、これが燃料電池です。
燃料電池のセールスポイントは、高電圧・大電流の出力が容易であること。これは従来の化学電池には見られない性質で、自動車の電源だけでなく、数百~数千キロワット級の発電プラントから、集合住宅向けの数十キロワット級の電源としても広く大きな期待が寄せられているのです。
水素を燃料とするといってもそのまま燃やす訳ではないので安全です。また、水素を蓄える装置としてタンクが必要なのですが、現在は水素を大量に蓄えることのできる合金をタンク替わりに使えるようになっています。
また純粋な水素だけでなく、水素の供給源としてメタノールや天然ガスを使うこともできます。最終的に排出されるのは水「H2O」ですからこれ以上クリーンな機関はありません。しかも効率がいいとなればこれ以上のものはないでしょう。
従来の内燃機関で走る自動車は確実に終焉の道を歩んでいます。

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