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[124]スカイライン350GT-8

ニッサンレッドステージのサービス工場に車検の見積りを頼みに出かけたところ、そこで見かけたのは2台の新しいスカイライン。
一台は新発売の2ドアクーペ。スカイラインは昔から2ドアクーペ(昔は2ドアハードトップと呼んでいた)が伝統でありましたが、現行モデルでは当初4ドアセダンしか発売していませんでした。それがやっと発売の運びとなったわけです。4ドアと似ていて非なるボディラインはなかなか魅力的です。
ミッションは6速マニュアルと5速AT。エンジンは3.5リッターエンジンのみの設定で、マニュアル車のほうが価格が高いのが当世風。一番高いプレミアムモデルでも356万円とかなりお買い得な価格設定です。先般発売されたフェアレディZもほぼ同じ価格ですから、2ドア車を買おうと思っている人は悩むでしょうね。
しかし、派手ないでたちの2ドアクーペよりも目玉といえるのが4ドアセダンの350GT-8です。このクルマに搭載されたトランスミッションは無段変速のCVT。しかも無段変速なのに8段変速というヘンなトランスミッションです。とても気になるので試乗してみました。
通常走行はDレンジでOK。なにも気にする必要もなくスルスルと走り出します。無段変速ですから、ギアショックはありません。アクセルを踏まなくてもブレーキを離すと動き出してしまうクリープ現象も全くないわけではありませんが、しっかり抑えられていて、停止時にブレーキを一生懸命踏んでいる必要はありません。軽く足を乗せていればクルマは動いていきません。
3.5リッターのエンジンは必要十分であり、アクセルを軽く踏むだけで力強く加速します。この力強いエンジンに組み合わせるCVTは世界技術のエクストロイドCVTといわれるもの。もともと無段変速のメカニズムはベルトを使ったものが多いため、高い負荷がかかるのが苦手で、どちらかというと小型車向きの技術でした。しかしニッサンはパワーローラーという角度が変る可変ローラーを開発し、高いトルクを持つエンジンにも組み合わせられるCVTを開発したのです。こういうところが「技術の日産」たるゆえんです。
走りながらモードをマニュアルにしてみると8段変速のマニュアル操作をが楽しめます。そのギアのままエンジンの回転とともに速度も上昇します。アクセルを離すとエンジンブレーキがかかり、ギアが固定されていることがわかります。走行中にマニュアル操作をしみると、エンジンの音が変わって変速しているのがわかります。が、マニュアル操作があまり必要とは感じませんでした。
ステアリングにもパドル式の切り替えスイッチが出ていて、ハンドルから手を離さなくても、マニュアル操作ができるようになっています。ですが、多少熟練を要し、初めての試乗で操作できる代物ではありませんでした。通常ならば普通のオートマと同じくDレンジでよろしかろうと思います。
ステアリングを切った感じはかなりクイックで、スポーツセダンの名に恥じない動きをします。先代のスカイラインはややもするとファミリーセダンでしたが、このクルマは明らかにスポーツカーです。
スカイラインの4ドアは意外と大きなクルマですが、運転した感じはとてもタイトでとり回しが楽なクルマです。しかし試乗するとほしくなってしまいますね。ちなみにこのスカイライン4ドアセダン350GT-8は366万円。諸費用を入れると400万円を超えます。ビンボーたまごやにはちょっと買えませんね。

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