サイトアイコン 女性のためのクルマ読本

[159]ディーゼル論再び

日本ではディーゼルエンジンの乗用車を新車を買おうと思ってもなかなか難しい状況です。というのも東京都の条例でディーゼルエンジンへの規制が厳しくなり、メーカーが国内向けのディーゼル乗用車を作るのをやめてしまったからです。しかしニッサンやトヨタがディーゼルから撤退したのかというとそんなことはなくむしろ海外向けの新車はディーゼル車に力を入れているのです。
こうした矛盾は、日本のディーゼル環境にあります。ディーゼルの問題点はPMといわれる粉塵にあります。石原都知事がペットボトルに入れて振っていたアレです。この粉塵は発ガン性もあるらしく、人口・クルマ密度の高い東京都では大気汚染の元凶であることは否めない事実です。しかしメーカーとしてはなかなかその規制がクリアできないため、事実上の撤退をしている、というのが実情です。
ではディーゼルが本当にいけないのかというとそんなことはありません。むしろ内燃機関としてはガソリンエンジンよりも完成された形とされるのがディーゼルエンジンです。ヨーロッパのメーカー例えばVWやアウディ、BMW、ジャガーなども既に次世代のエンジンとしてはガソリンエンジンではなくディーゼルが主流なのです。しかも搭載するのは実用車のみならずスポーツタイプのクルマです。ディーゼルエンジンはもはやガソリンエンジンをしのぐほど性能が良くなっているのです。
日本でディーゼルを悪者に仕立て上げたのは、クリーンなエンジンを開発しなかった国内メーカーの怠慢と劣悪な燃料(軽油)でしょう。これさえクリアすれば、ディーゼルエンジンはガソリンエンジンよりもクリーンなのです。ガソリンエンジンは大量のCO2を排出しますがディーゼルエンジンは燃費がいいためkmあたりの排出量が少なくてすみます。地球温暖化の防止にも役立つのがディーゼルエンジン。
重く遅いディーゼルは過去のものといえましょう。燃料を選ばない完成された内燃機関ディーゼルは、水素や天然ガス、アルコールなど新しいクリーンな燃料にもすぐさま対応するでしょう。時代はディーゼル、というかガソリンエンジンとかディーゼルエンジンを語ること事態、既に時代遅れといえるかもしれません。
日本のメーカーも欧米仕様車ディーゼルエンジンの開発を急ピッチで行なっているので、いずれ東京にもクリーンなディーゼル国産車が席巻することと思います。もうしばらくの辛抱です。
※CO2
二酸化炭素のことです。地球温暖化を招く温室効果ガスの主成分。クルマからの排出量削減が急務とされています。
※PM
排出ガスに含まれる粒子状物質のことです。軽油の燃え残りやススなどが主成分。黒煙の元でもあります。高濃度では健康に影響を及ぼすといわれています。
※NOx
排出ガスに含まれる窒素酸化物のことです。窒素と酸素の化合物である一酸化窒素と二酸化窒素が主。高濃度では健康に影響を及ぼすのみならず、酸性雨や光化学オキシダントの原因になります。

楽天で「ディーゼル」を探す
ビッダーズで「ディーゼル」を探す

モバイルバージョンを終了