申告分離課税の場合、儲けた額に対して26%の税をかけられる。しかし、損をしたら(所得がないわけだから)税金はかからない。また、年に一回の確定申告で一年分をまとめて申告するから、一年の売買で出た損益を利益と相殺できる。
一方、源泉分離課税だと、儲けていようが損していようが、一律に売却代金の1.05%が差し引かれる。損が出た場合は申告分離課税を選択した方がよい。もし最初に選んだ方法と違っていても、売却時に指示できる。
さて、源泉分離課税は、「売却額の5.25%が利益」とみなし、その利益について20%の税金をかけている。この税額を求める計算式が「売却額X1.05%」となるわけだ。
では利益が売却額の10%だったら、逆に1%だったら?売却額にしめる利益率、これがどちらの方法を選択するかのカギになりそうだ。
<ケース1>*************
A株を800円で買い、900円で売る。売却額のうち利益率は約11%。(ただしわかりやすくするため、売買手数料はないものと仮定。ケース2も同じ)
買:800円X1000株=80万円
売:900円X1000株=90万円
純益:90万円-80万円=10万円
源泉:90万円X1.05%= 9,450円
申告:10万円X26% =26,000円
<ケース2>*************
B株を800円で買い、810円で売る。売却額のうち利益率は約1.2%。
買:800円X1000株=80万円
売:810円X1000株=81万円
純益:81万円-80万円= 1万円
源泉:81万円X1.05%= 8,505円
申告: 1万円X26% = 2,600円
選択の目安は利益率4%前後のライン。利益率がこれよりも下回っていたら申告分離課税の方がお得だし、超えていたら源泉分離を選択すべきだ。利益が大きくなればなるほど、圧倒的に源泉分離課税がお得なのである。
どうりで、みなさん申告分離課税の一本化に猛反対しているわけだ(当初、2001年の4月からはら申告分離課税に一本化されて源泉分離課税が廃止されることになっていたのが、延期された)。利益が大きくなるにつれて、源泉と申告の課税額の差はどんどん開いていく。一度の売却で20万、30万と儲けてきた人たちに、いきなり申告一本化はたしかにきついだろう。
「もしかしたら損するかもしれないし」と最初から弱気な私はとりあえず申告分離課税にマルをつけた。そして申込書を投函。お待たせしました、これでやっと口座開設である。
2001.03.16
◆CANE