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第19回■■2001年1月の戦果-暗黒時代の幕開け

年末に669円で2000株買ってしまった日産株、買うと同時に気持ちよく下がっていくのを目の当たりにしながら嫌な気分で年越しをし、21世紀を迎えた私。

売るべきか、売らざるべきか。年末年始頭の中はこればかりだった。

「売れ売れ」と囁きかける声は、私をこう説得する。・・・月定額の売買手数料を払ってるんだからとにかくガンガン売買しないと損!持っていたって上がるかどうかわかんないんだから、早いとこ損切りして別の銘柄で損をカバーするべし。今までの実績を持ってすれば、多少の損はすぐ取り返せる!とにかく資金を回転させることが大事なんだから、1週間以上もってたらアカン!!

一方、「売るな」と歯止めをかける声も聞こえる。・・・株の基本は長期保有。絶対また上がってくるから、少し様子を見るつもりで売らずにいるほうがいい。もう1、2週間様子を見て、せめて買った値段まで戻るのを待ってみたら?どうせ今日明日使うお金じゃないんでしょ。

どちらの幻聴も一理ありまくりで、私は大いに悩んだ。そして迎えた1月4日の大発会。日産株価は下がった。

私は売ってしまうことに決め、指値を思案。2000株買ったのを生かして、1000株ずつ別々の値段を指してみることにする。1月10日、625円と636円で1000株ずつ売った。年初早々7万7千円の大赤字である。あーあ、やっぱり去年の連勝は単なるビギナーズラックだったんだろかと思っていると、翌々日の12日には612円まで下がった。

この分だとまた600円を切るかもね。あれくらいの損で止めておいてよかったんだ、私は間違ってなかった!とちょっと浮かれたところを見事にガツンとつかれた。日産株はその日を境に上昇に転じ、1月の終わりにはあっさり700円を突破したのである。

700円突破以来、私は毎日日産株価を眺めながら、「もしも、もしも今日までもっておいて今売っていたらプラス6(残念ながらこの数字は日々増えてゆく)万円・・・・・・」とひっきりなしにため息をつくことになった。

逃がした魚にやっと諦めがついたのはまだつい最近のことだ。やっと、「いくら計算しても自分の懐には入ってこない」ことに気づいたので、いつの間にか計算しなくなっていた。とはいえ、ほんとに今までもっていて、今売っていたら軽く30万にはなっていたわけで、そうすると私は今頃かなり有頂天になっていて、投資資金に繰り入れて更に株にのめり込み、その情熱でまたまた連勝して・・・・・・とこんな想像してしまうあたり、全然諦めがついていない感じではある。

さて泣きながら売り払って作った資金、早速次の銘柄に投資して回転させなければいけない。いっぱい売買して手数料のモトを取らねば。今思えば私はこの時資金を回転させることばかり考えていて、要するに銘柄をさほど吟味せずに、過去に実績のある株で手頃な値段のものを適当に買った。それまでチャートくらいは丹念に見て買いを出していたのに、多分それすらも見ていなかったと思う。じゃあチャートを見たら必ず買いのポイントがつかめるか、と言われたら必ずしもそうばかりでもないのだが、やっぱり見ないよりは見た方がいい、のかもしれない。

日産を売り払った翌日の11日に日航を498円で1000株、15日に大林組を460円で1000株購入。そしてどちらも、買ったと同時に気持ちよく下がっていった。悪夢再び、である。かたや、手放したばかりの日産は上がってゆく。

なす術を知らず、私は1月を終えた。

2001.06.01
◆CANE

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