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第33回■■「全面安」と言われても

「幅広く売られ全面安」「先行き不安で全面安」「景気や企業業績の先行き不安色濃く」この手のフレーズが新聞を彩る今日この頃である。こう毎日のように安値更新だの全面安だの言われ続けると、「またか」とさして新鮮味もない。まして日経平均がちょっとやそっと上がろうが下がろうが、私の塩漬け株は塩漬けであり続けることに変わりはないとなると、もう怖いもの無しである。

ところで私は「全面安」の3文字を見るたび、「全面」といいながらも「全面」に入っていないわずかな銘柄をついついチェックしてしまう。新聞の株式欄で言えば、前日比の数字の横がほとんど下向きの黒三角なのに、ぽつりぽつりと控えめに光る上向き白三角がついている銘柄。もちろん、たまたまその時に前日と比べて値が上がったと言うだけのことで、それがすなわち「株価低迷に強い銘柄」とか「期待できる銘柄」に結びつくわけでもないのだが、「みんな下がっているときに上がってしまう天の邪鬼な銘柄」って一体・・・と興味を持たずにいられないのだ。

ためしに、9月3日の東証第1部終値を見てみると、ビックリなのがこんな「日経平均株価終値が4日連続でバブル崩壊後の安値を更新」したような日でも「年初来新高値」をつけている銘柄があったこと。三井木材、ホーチキ、ゼンショー、サイゼリヤ、小林洋行、三井海上なのだが、このうちゼンショーと小林洋行は3日付で東証2部から1部へ指定替えしたとのことなので対象外にしておこう。それにしても4銘柄である。全面安とはいえ「ホントに全銘柄」下がってるわけではないのだなあと改めて感じ入った次第である。前日終値比より上がっている銘柄は4銘柄どころの騒ぎではない。全部拾い出そうかうと思ったが面倒なので止めたくらいの数はある。

日経平均株価やらTOPIXは市場全体の動きを示す一つの指標であり、大きな流れはよくわかる。だからこそニュースでも頻繁に取り上げられて、その数字に触れる機会も多くなるが、あまりにも「先行き不透明」と騒がれ続けるとホントにお先真っ暗と思いこんでしまいそうになる。実際に数字で表されている各企業の業績云々とは別に、一人一人の先行き不透明感が群になって更なる全面安や最安値更新を呼んでいるような気もする。これの逆バージョンがバブルだったのだろう。

私が株に関心を持ち始め、株価のニュースに注意を払うようになった頃、一番最初に耳に残る数字は日経平均だった。新しい興味の対象としては新鮮で、株を長いことやっている知人を相手に早速「今日は日経平均が○○円下がった」などと話題にしたら「日経平均なんかチェックする必要なし。自分の持っている株か買おうと思っている株価だけみてればいい。他が下がろうと上がろうと関係ない」と言われたのを思い出す。とりあえずは、天の邪鬼銘柄チェックに励むことにしよう。

2001.09.07
◆CANE

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