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第39回■■番外 モスクワ紀行その2

今回も株とは無関係な話です。あしからずご了承ください。

モスクワは思ったよりも物価の高い町だった。もちろん、空港から市内までバスで約60円だったし、地下鉄はどこまで乗っても一回約20円だったから、日本より明らかに安いというものはいっぱいある。

しかし、キオスクで買った330mlのビンビールが一本約100円、チェーン店ぽいレストランで食べたペリメニ(水餃子みたいなもの。ここのはスープに水餃子が10個沈んでいた)とビール一杯で約500円、という物価になってくると、雲行きが怪しくなってきた。確かに安いことは安いが、私は「もっと目の玉が飛び出るくらい安いんじゃないのか」と予想していたからこのあたりから軽い裏切られ感を感じ始める。

現地のガイドに聞いたら平均月収は大体1万円だという。それなのに中心街のブティックには日本と変わらない値段のセーターやスーツが美しくディスプレイされており、一体誰が買うのかが謎その1。ガイドにその点聞いてみたら「まあ色々やって生活してるわけです」とよくわからない答え。しかしこのガイド、「パソコンはモスクワ全世帯の60%くらいに普及している」と言うし、どうも数字が怪しいなとは思うのだが、それにしてもわからない。

「ニューリッチ」という富裕層が出てきて、貧富の差がますます激しくなった、ということは聞いていたが、その割に町にはいわゆるホームレスみたいな人がほとんど見あたらなかったのが謎その2である。地下道も地下鉄の構内もきれいなものだった。ちなみにモスクワの地下鉄はホームが異常に深いところにあるので、エスカレーターはとても長い。そして速い。降りていくときなど怖いくらいだった。そんなに深いところにあるにも関わらず、ホームの天井は高くて広々としている。しかし文字が読めないので、乗換やら出口やらを探すのにえらく苦労した。

地下鉄といえば、どこからかやってきた警官に隅っこに引っ張られて「身分証明書見せろ」とやられている人を頻繁に見かけた。「外国人はパスポートを常に携帯せねばならず、警官に見せろと言われて携帯していないと罰金」と言われていたので私はその度キンチョーして横を通り過ぎていたのだが、私は幸い隅っこに引っ張られずにすんだ。一体警官はどういう人に詰め寄っているのか、そしてその後どうするのかが謎その3。

謎その4。モスクワにはタクシーがない。道端で普通に走っている車を止めて行きたいところと料金を交渉し、交渉成立すればそれがタクシーになるわけだが、私などは「女一人で乗ったらあらぬ方向へ連れて行かれてしまうんではないか」と不安に思うが、見ていると、女一人でもばんばん車を止めて交渉成立すると何のためらいもなく助手席に乗って走り去っていく。これまたガイド曰く「顔つきで怪しい人かそうでないかがわかるのです。これは絶対に一目でわかる」。偉く自信ありげだったがほんとだろうか??しかしモスクワ市内の道路は一日中ひどい渋滞が続く。これがメーターのあるタクシーだったら料金が気になって仕方がないところだが、あらかじめ料金を交渉しているのでヒヤヒヤせずにすむのはいいところかもしれない。

さて、あまり番外編が続くのもよろしくないので、モスクワネタはこれにて終了。日本にいない間に株が劇的に上がったらどうしよう、なにか仕込んでから行くべきだったかと思っていたが、結局はとりあえず先行き不透明なことには変わりなさそうである。

2001.10.28
◆CANE

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