株式を買う場合は自己資金が望ましいですが、場合によっては借り入れをしてその資金で株式を買う場合もあります。その場合、支払いを受けた配当金には借入金の利子がコストとして対応します。そのような場合は、配当金から借入金の利子を差し引いて確定申告することができます。
たとえば配当金を30万円受け取ったが、この配当金を得るために1000万円の借り入れをして株式を購入していたとします。その場合の利子が年間で仮に10万円とすれば、30万円から10万円を差し引いた20万円が配当所得になります。
この配当所得を計算する上で差し引くことができる借入金の利子は
・その借入金が株式を買うためのものであったか
・株式の取得時期
・取得価額
・資金の借入れ時期
・借入額
が、明らかである必要があります。
このような要件を満たす場合は、借入金の利子を株式の配当金から差し引いて配当所得とすることができます。利子の計算は以下のとおりです。
◎借入金利子の年額x借入れによって取得した株式を所有していた月数÷12
この借入金の利子は、自己資金で買った株式の配当金がある場合はそれを合算した配当金、及び平成16年からの公募投資信託の収益分配金からも差し引くことができます。さらに借入金で買った株式を売って新たに購入した株式の配当金についても、借入金と後に買った株式の取得価額を比べて低いほうの金額をもって、後の株式を買った資金とみなすことができます。