サイトアイコン 株・投資・マネー戦略

[10]先物取引とは?

商品や株式は、市場があってそこで自由に売買できるようになっています。その売買には、金銭の受け渡しと同時に現物を受け渡しする現物取引のほか、現物の受け渡しをしないで、金銭のみを受け渡しする先物取引があります。現物取引は現物が有りますので安全確実です。しかし先物取引は、モノの受け渡しは将来ですから、色々なリスクをはらんでいます。
農作物の場合は、冷害や水害、需要と供給の大幅な格差、海外取引の場合は政情等色々な要素が付きまといます。しかし、だからこそ、利益の幅もある、といえるのですが。
先物取引を株の場合を例として簡単に説明します。
【現物取引】
4月1日に株式を10,000円買った
9月30日にその株式を12,000円で売った
利益は2,000円(この利益を得るのに6ヶ月間かかった)
【先物取引】
4月1日に株式を先物で10,000円で買い建て
5月1日にその株式を12,000円で売り決済
その時点で2,000円の利益(短期に利益を獲得)
【先物取引】
先物は売りから取引をすることもできます
4月1日に10,000円で売り建て
5月1日に8,000円で買戻し決済
2,000円の利益(短期に利益を獲得)
現物は将来価格が上昇すれば利益となり、将来下がれば損失となりますが、先物は将来上がれば、買い建て利益を得ることができますし、将来下がると踏めば売り建てで利益を得ることが可能です。
つまり、先物取引は将来上がっても下がっても利益を得ることができるのです。しかし、売り建て買い建てを行なう時点での決断が必要であることはいうまでもありません。
また先物は、現物を受け渡ししないで取引をするため、証拠金を担保に入れなければなりません。信用の裏づけです。
しかし、実際の取り引きは、証拠金以上の金額を動かすことができるので、利益を得るときは大きいですが、同時に損失を出したら、それも大きいということです。まさに先物はハイリスク(危険度大きい)、ハイリターン(しかし利益も大きい)なのです。
先物で含み損を出しているときは、決済をしなければならない満期日が近づいてくるとあせります。満期日にはお金を用意しなければなりませんから。しかしその焦りが新たな損失を招くこともあります。株や商品先物で失敗すると破産してしまう例が多いのは、その金額が大きく膨らんでしまうからです。
先物市場は、その業界の情報をくまなく得られる「その道のプロ」が行なう市場であって、業界に疎い前も後ろもわからない素人が手を出す市場ではありませんね。

モバイルバージョンを終了