なにやら物騒な事件が多い昨今ですが、先日もJR真鶴駅で殺人事件が起こった。その被害者の様子かこの事件の発端は過激派の「ウチゲバ」ではないかとされている。
「ウチゲバ」とは「内部的ゲバルト」とでも申しましょうか。ゲバルトというのは「行使」とか「実行する」というような意味のドイツ語であります。
昔々、ベトナム戦争や、安保条約などを起因とした学生運動が盛んな時がありました。学生は政治に関する自身の主義主張を行動で表した時代です。いろいろな派閥があり、中でも「革マル」、「中革」、「民青」など過激な行動に出ることが多くこれらを過激派といいます。1960年後半になると、各グループでの抗争が激化しますが、グループの内部でも意見がわかれてそれが抗争に発展することも多くありました。
ゲバルトとは暴力に訴える実力行使ですが、それが内部で行なわれるのを「ウチゲバ」といいます。要するに仲間割れです。内部抗争とは言え多数が少数をリンチする事もあり、闇に殺人が行なわれる事もありました。赤軍派などではこれを「総括」といい、オウム真理教などで話題になった「ポア」もこれにあたる行為です。
学生運動では、学生は派閥名を書いたヘルメットにタオルでマスクをし、プラカードを持ってデモしたものです。そのプラカードはいつしか角材に取って代わりゲバルトに欠かせないものとなります。この角材を「ゲバ棒」といいます。実力行使に本物の武器を使わず、角材を使うところなどかわいいと言えばかわいい。
当時の学生は、ではみんな過激だったかというとそうでもない。「ふーん」と傍観していた学生も多くこれらを「ノンポリ学生」と呼んだものです。要するにポリシーがない。私なんかも言ってみればノンポリだった。学生運動で大学の試験はボイコットされ、喜んだものだ。しかし試験の代りのレポートを提出をさせられたが、この採点は却って厳しかったように思う。