蓮華とはハスの花であります。春の野原にさくレンゲは蓮華草のこと。蓮華草はその花の形がハスの花に似ていることからその名がつきました。レンゲの元を正せばハスの花であり、そのハスの花は仏教から切り離せないものです。
ハスの花が遠くインドに起源を発し、仏教とともに広く東アジア全域に広まったのは、根は泥の中にありながらもその汚れに染まることなく、清浄の花を開くその姿に、清々しい超俗のありようが象徴されるからです。
仏教美術においては蓮華は欠かせない植物で、極楽浄土に立つ建物のそばには池があり、必ずといっていいほど蓮華の花が描かれています。また仏像や菩薩の像の台にあたる部分は蓮台といわれ、蓮華の花をデザインしたものです。
冬の鍋物やラーメンについてくる汁をすする器もレンゲといいます。散り蓮華といわれるように蓮華の花びらの一枚にその形が似ていることに由来しています。
さて、元ラーメン屋からひとこと。ラーメンのスープを蓮華ですするのは邪道です。どんぶりのふちに口を当て、ずずずっとすすってください。ただしやけどに注意!