仏教の話が続きます。前号で取り上げたお釈迦様の髪の毛の話をちょっと詳しくしてみる。
どうもお釈迦さまは縮れ毛だったようで、仏像はお釈迦様の姿を模して造られているからどれも縮れ毛である。縮れた毛は一つ一つ右巻きに渦を巻いておりこれは螺髪(らほつ)と呼ばれる。螺髪はよく見ると巻き貝のようである。
また、お釈迦様の額には白い毛が一本生えていたらしく、仏像にも、螺髪と同じように額に螺旋を一本書かれることがある。両目の間にかかれたほくろのようなものがそれである。これは白毫(びゃくごう)と呼ばれるもので、その向きはよく見ると右巻きである。
頭の悪い人をさして言う時「あいつは左巻きだ」というのは(あんまり言わないか?)、智慧の豊かなお釈迦様の白毫の右巻きに対して言われたものである。
その昔、喜多方のあるお寺では仏像の螺髪のつぶをお守りとして戦争に向かう若者に渡された。螺髪はほんの少しを除いて無事に返却されたそうだ。螺髪のお守りは非常に高い確率で、戦士を生還させたのである。ありがたや、ありがたや。