クラリネットは木管楽器だ。もちろん木で出来ている。リードという薄い板を口で吹いて振動させそれを木管である胴体部分で共鳴させ音を出す。長い円筒形の胴体のおかげで3オクターブ半もの広い音域を出すことができる。これは木管楽器の中でも特に広い音域だ。
クラリネットの起源は1700年ごろといわれるが現在の形のようになったのは1820年ごろにベームがフルートを発明したのをきっかけに、このキーシステムをそっくりクラリネットにも流用して、1839年にフランス人が「ベーム式クラリネットを作ったのがはじまりとされている。
同じ仲間にオーボエがあるがこれはリードを2枚使うより繊細な楽器。オーボエのリードは自分で調整するしかなくオーボエ奏者はいつもリードを削っている暗いイメージがあるが、一方クラリネットそういったことがないので、陽気で明るく悩みがない、などと皮肉られる。
普通のクラリネットは音程はB♭だが、ほかにもAクラリネット、E♭クラリネット、アルトクラリネット、バスクラリネットなどがある。楽器というのはギターやピアノなどのC調楽器のほかオーケストラなどに使われる楽器はB♭とE♭の物が多い。これは同じ指使いでも調子の違う楽器を使うことによって自然と和音が奏でられるようになっているのだ。
例えばB♭楽器の「ド」はE♭楽器の「ソ」にあたる。またE♭楽器の「ド」はB♭楽器では「ファ」にあたる。ちょっとややこしいけど。
クラリネットはストレートな音が魅力だ。サックスやバイオリンなどのビブラートのかかった楽器とはまた違った魅力があるといえる。
注:E♭=「Eフラット」、B♭=「Bフラット」
【関連記事】
[767]北村英治