運輸省は近く、自動車のナンバープレートのあり方の見直し作業を本格的に立ち上げ
る動きだ。見直しの具体案は以下のとおり。
1)日米欧でそれぞれ異なるプレートの規格を国際的に統一する
2)ICチップの埋め込みなどによるプレートの電子化・高度化
3)色や模様、記号の種類などの自由化
これはいい案だ。ヨーロッパのナンバープレートは横長でスマートである。国産車でも、ヨーロッパに輸出を見込んで開発された車は、横長のプレートが似合うようなデザインが採用されている。また欧州車には横長のデザインが似合うようになっているのでそこに日本のプレートをつけると不恰好になる。
アメリカのナンバープレートは日本と同じ大きさのもの。しかし、内容はアメリカはそのデザインに自由度が高く、州によっては数字だけでなく自分の名前やシンボルマークなども使え、日本とはその点まったく違う。国際的に大きさが統一されれば、クルマのデザインもそれにあわせて自由度が高まる。
ナンバープレートにつける記号自体も飽和状態になってきた。今は4桁の数字を、所轄の陸運事務所と車種別カテゴリの分けて振り分けてきたが、車種別も3桁になり、何がなんだかわからなくなってきている。ここにICチップを埋め込み、多様化することで一気に容量を増やそうというわけである。
ICチップを埋め込みセンサーで識別できるようになると、有料道路の料金やロードプライシングによる識別、しいては高速道路の前後識別による自動運転などの可能性にも近づくことになる。また事件を起こした犯人が逃走しても、各所に儲けられたセンサーを通過することで今どこにいるかがたちどころにわかってしまうという芸当も可能。
いいこと尽くめのようだが、車につけた背番号のようなものであるから、交通違反したときにも逃げられないし、道路を通行する以上、どこにいるかもわかってしまう欠点はある。しかし、いずれはこうなるだろう。というよりナンバープレート自体もはや陳腐化し過ぎている。のんびりしている運輸省もやっと動いたか、という感じ。