望遠鏡の話が続きます。前回では望遠鏡を買うのには目的が無ければダメで、その目的には月や惑星などを見るほか、天体写真を撮るなどがある、と話をしました。
これらの目的を達するのに確かに望遠鏡自体は必要なのですが、それよりも大事なのが赤道儀という望遠鏡を固定する架台です。
地球は1日に一周してしまうほど高速で自転していますので、望遠鏡で目的の星を捉えても、地球の自転のためにすぐに見失ってしまう。そのために追尾する装置が必要です。それが赤道儀です。
赤道儀は天の北極を中心にぐるり回るようにセットしておきます。モーターで動くものもありますので、一度セットすれば、あとは自動で追尾してくれます。ノートパソコンを繋いでナビゲートしてくれるものもあります。
天体写真がきれいなのは、フィルムに光を集めるからです。人間の目は光を蓄積出来ませんがフィルムなら可能です。だからあのようにきれいな写真が撮れるのです。
とはいえ、いくら感度のいいフィルムを使ったとしても、長時間の露光は必要です。つまりカメラのシャッターをずっと開けていることが必要。しかも、その間被写体が動いてはいけません。ここで赤道儀が威力を発揮するのです。精度の高い赤道儀は長時間でも正確に追尾しますから、カメラも長時間シャッターを開けていられる、ということです。
赤道儀のセッティングは明るいうちに観測地に行き、赤道儀を固定し、望遠鏡の方向とカメラの方向を地上の手ごろな構築物を見ながら合わせ、暗くなったら北極星に赤道儀の軸を合わせ、それでやっと準備が完了します。結構、大変なんですね。だからみんなイヤになって押入れにしまってしまうのかも。
しかし、天体写真はやってみると結構きれいに撮れるもので、私も過去アンドロメダ星雲を撮影することに成功しています。素人でもやってみればできるものです。しかし、のめり込むとそれなりに金がかかるのも確かです。懐と相談しながら楽しみましょう。