~雪のふる夜はたのしいペチカ
ペチカ燃えろよ お話ししましょ
むかしむかしよ 燃えろよ ペチカ
この歌は1923年に北原白秋が詞を書き、山田耕作が曲をつけたものです。たまにロシア民謡のように書かれることがありますが、ロシア民謡ではありません。ペチカとはロシア語で暖炉のこと。しかし白秋はどこでこのペチカを見たのでしょう?白秋が見たのは多分普通の暖炉。ところがペチカはいわゆる普通の暖炉とはちょっと違うんですね。
ペチカはもともと北欧で生まれた暖房法で、暖炉といっても普通の暖炉ではなく、レンガで煙道を造り、煙で暖められたレンガの輻射熱で暖をとる暖房法です。寒い地方では一日中火を落とすことが無いため、暖房費を節約するために煙の持つ熱を利用した、生活の知恵といえるものです。
レンガで造られた煙道は壁に沿って作られていますが、中はつづれおりのように折り返され、煙がその中を通るときにレンガに放熱します。レンガは見栄えもよく、インテリア製が高く北海道以外ではあまり見かけないペチカですが、今後省エネを考えると人気が出そうな暖房法です。
ペチカのほかに、最近人気が高まっているものに、クッキングストーブがあります。これは薪が燃料のストーブですが、トッププレートで焼く、煮るのほか、オーブンもついているという優れもの。これもペチカに連結して同じ煙道を利用できます。
薪を用意するのはちょっと、というかたもご安心を。近代的な石油ストーブを炉として繋ぐこともできます。ガスや電気に頼ることなく、風力発電やペチカのような原始的でありますが経済的な方法を見直すのも悪くないでしょう?
しかし、夏にこういう暖かいハナシもなんだかな。