労働三権とは労働者に与えられた権利で「団結権」「団体交渉権」「団体行動権(争議権)」をいいます。労働者は、生産手段を持つ使用者に比べ、弱い立場にあるため労働組合を作って対抗できるようになっています。
「団結権」
団結権とはこの労働組合を作るつまり団結することができる権利です。
「団体交渉権」
またその労働組合は、団体として使用者に交渉することができます。これが団体交渉権です。一人の力は弱くとも団体で交渉することによって大きな力を持つことができますね。
「団体行動権(争議権)」
話し合いで決着がつかなければ実力行使することもできます。これが団体行動権です。具体的にはストライキなどを起こし、賃上げ交渉や、職場環境の改善を交渉したりします。
これらの労働三権は労働組合法で決められている権利ですから、使用者はこの権利を妨げることはできません。
ところで、この労働三権は一般の企業のみに当てはまる制度で、公務員にはこの労働三権が認められていません。
そこで時代に沿った見直しという案で、自民党の野中広務幹事長は十四日午後、滋賀県で開かれた会合で「警察、消防、自衛隊、海上保安庁を除く公務員に労働三権を与えてもいいと思う」と言うようなことを述べました。
今まで役人にコスト意識、生産性の意識がなかったのを根源から変えるには労働三権にまで踏み込んで、民間と同じような競争原理を導入すべきだ、という考えに基づくものです。一部の公務員に団結権、団体交渉権、団体行動権を与えることで、公務員制度に対する連立与党の改革姿勢を示したものといえます。