2000年11月21日午前3時50分、衆議院本会議場で「森内閣不信任決議案」の投票結果が発表。賛成190票、反対239票。不信任決議案採決では、森内閣は信任されたことになった。
自民党の加藤紘一元幹事長が、森総理の退陣を要求。野党の不信任案に同調すると発言して始まった10日間の「加藤政局ドラマ」は、全くの不発に終わり国民の期待を大きく裏切った結果となる。
いや茶番もいいとこ。久しぶりに「面白い政治」になると思ったのにいやにあっけない幕切れでした。加藤さんこれからどうするんでしょ?
さて、内閣不信任案というのはそもそも野党から提出されるもので、野党というのは過半数に満たないから、不信任案が可決するには、与党から造反者が出ない限り無理なんですね。今回は造反者が出るというのでもしかして可決?という面白さがあったわけです。
過去不信任案は42回提出されましたが、そのうち可決されたのはたったの4回。可決された4回はすべて解散・総選挙となり、内閣が総辞職したことはありません。ま、内閣にも面子があるから総辞職はありえないですね。否決されるのがわかっているのに、不信任案を出すのは野党側の一種の牽制。否決されるのが明白な場合は通常の審議が妨害されるのでかえって野党の信頼も失墜するから下手なことはできない。
過去不信任案が可決したケースは、1993年6月の宮沢内閣の時。当時の社会、公明、民社、社民連の4野党から提出された不信任案に、自民党内から小沢一郎らが賛成に回ったため、可決された。その後議会は解散となり小沢氏らは離党、総選挙により細川内閣が誕生しました。
しかし、今回の茶番劇で誤解してはいけないのが、森首相存続になりましたがだれも今後も森さんで良いとは思っていないこと。そればかりか主流派の中でもそう思っている人が多いということ。中曽根さんや宮沢さんなどミイラ化している人間が権力を握っており、森さんは単なる人形であることを認識すべきでしょう。
なんか、この人なら任せられるという人が出にくくなったこういう制度こそ、変えなきゃいけませんね。