2000年12月7日の日経新聞によれば、税制調査会は贈与税の基礎控除額を現行60万円から120万円へ引き上げる方針を決めたそうです。
贈与税というのは相続税の生前贈与という性格があり、毎年60万円までは贈与しても税金がかかりません。これはどういうことかというと、例えば親が子に毎年100万円の貯金をしたとします。このうち60万円までは非課税。差し引いた40万円に贈与税がかかるというわけです。
今回の税制調査会の方針が決定になれば、120万円まで非課税ですから100万円贈与しても税金がかからなくなります。
この背景には非課税枠が1975年以降放置されてきたことと、相続税の基礎控除額が1988年の抜本改正以来再三引き上げられてきたのに対し、贈与税はそのままにされてきたと言う事実です。税制は公平でなければならないという原則がありますから、こういった不公平は以前より指摘されていました。
贈与税というのは生前贈与をなるべく推進し、多大な相続税の負担を少しでも軽減しようとする意図があります。しかし、基礎控除の額が60万円では何億もの資産がある場合は、たった60万円では気が遠くなるほど時間がかかってしまいます。
そこで、来年度の税制改正を議論する自民党税制調査会は、贈与税の基礎控除額を現行の年60万円から100万~120万円まで引き上げる方向で最終調整に入っていましたが120万円の線でほぼ確定間違いないところでしょう。
また、住宅取得の資金として贈与を受ける場合の非課税枠は現行300万円ですが、これも600万円まで拡大する方向で進んでいるようです。このような税制を推進することで、高齢者の持つ資産を若手に移しやすくし、それに伴う個人消費を刺激することが目的です。