餅といえば「さとうの切り餅」にとどめをさします。いや、別にさとうの切り餅からお金をもらっているわけではないですが、やっぱりおいしいものはおいしい。で、どうしておいしいかというと、昔ながらの製法で作っているからなんですね。もち米を蒸して杵でつく。
最近の安いお餅って、やけに伸びる割に食感が悪い。これって、もち米を最初に粉にしてしまって、それを加熱加工してお餅にしているような。粉のもち米だからくず米でも大丈夫。だから安い。しかしよく伸びる。お餅ってやっぱり少し粒々感があったほうがおいしいですよね。しかし、さとうの切り餅は高い。
さて、鏡餅。お正月は神様に鏡餅を供えるので、お供えとも言います。11日までお供えし、鏡開きを待ってお下がりをいただきます。昔、使った鏡は銅で作られており、丸い形をしていました。それ以来丸いものを鏡という風習があります。鏡餅は丸いお餅という意味です。鏡餅が二段に重なっているのは、円満に年を重ねるという意味でしょう。祈りと1年無事であったことを感謝する気持ちを込めて飾る行為は、歴史のある日本人固有の文化です。
様式を重んじることの上に成り立ってきた日本の文化。鏡餅を供える「カタチ」にもさまざまな願いが込められています。鏡餅に使う添え物を説明します。
鏡餅は三宝(さんぽう)という台に載せ、下に四方紅(しほうべに)を敷きます。四方紅はお供え物をのせる色紙で、四方を「紅」でふちどることで災を払い一年の繁栄を祈願するものです。
鏡餅の上には橙(だいだい)を置きます。木から落ちずに大きく実が育つ橙にあやかって、代々家が大きく栄えるようにと願った縁起物です。
御幣(ごへい)は紅白の紙を稲妻状に折ったものです。赤い色は魔除けの意味があります。紅白ではなく白一色のものは四手(しで)といいます。四方に大きく手を広げ、繁盛するように、という意味があります。
海老(えび)はその姿になぞらえ、腰が曲がるまで長生きできるようにと祈るものです。また裏白(うらじろ=シダ)は心が白く二心が無いという意味です。扇(おおぎ)は末広(すえひろ)ともいい末長く繁栄していくようにとの願いが込められています。