シンビジュームはラン科植物の中でも代表的なアジア原産の洋ランです。栽培されるようになって150年ほどになりますが、数多くの改良種が世界各国で作出されています。園芸種では以前は地面に生える大型のシンビジュームが多かったのですが、家庭でも簡単に栽培できる中型種や最近では着生種のもので下垂して開花するものも多く出回り、栽培法の簡単なこともあって人気が出てきました。
さてクリスマスや年末年始にかけて贈り物としてシンビジュームをいただいた方も多いのではないでしょうか?シンビジュームは難しいとされる洋ランの中でも比較的簡単に花を咲かせることができるランです。せっかくいただいたシンビジュームですから来年も是非花を咲かせてみましょう。温室?そんなもの要りません。
まず、年末に贈られたシンビジュームはまだ花が咲いていると思いますが、あまり長く花を咲かせたままだと株が弱りますので、早めに切り取り切花として楽しみます。花ですから茎につけたままですと種を結ぼうとします。消耗しないうちに早めに切り取りましょう。
さて花を切り取ったあとのシンビジュームを良く観察します。根元が膨らんでいますがこれをバルブといいます。ここに養分を溜め来年の活力となります。このバルブがしなびていたり、色が悪かったりしていませんか?丸々と太ったバルブがあるのなら、来年も花が咲く可能性が高いです。
葉っぱを見てください。葉の先まで色艶良くすらっとしていますか?筋に沿って黒い線があったり、葉の先がハサミで切り取られているものはバイラス病にかかっていることが多いです。園芸店で安く売られているものは、こういった病気があるので注意します。バイラス病は他のシンビジュームに感染るので他にもシンビジュームを栽培する予定があるのなら残念ながら焼き捨てます。
これは贈るときにも注意したいですね。シンビジュームを栽培している人に病株を贈ってしまったらこれは大変迷惑なことになってしまいます。
病株でなく元気な株なら来年も花をつけてくれますが、だからといって肥料をあげてはいけません。それはもう少し暖かくなってからにします。気温が20度以上になる5月から9月にかけては戸外の直射日光にあたらない場所(木陰ではなく寒冷紗で50%遮光したところがベスト)に置き、水も肥料もたっぷりあげます。
植え替えをするなら5月以降ですが、ランの場合植え込み材料が腐ってだめになるまで植え替えはしません。株が大きくなってくると根がはみ出してきますが、もともとランの根は空中にはみ出すのが好きなので気にする必要は無く、かえって小さ目の鉢に植えて根が四方八方にはみ出すくらいのほうがよく花が咲くのです。
この5月から9月までの管理如何で花がつくかどうかが決まりますので、気合を入れて育てましょう。洋ランはちょっと難しいですが、シンビジュームは比較的簡単に栽培できます。是非お試しください。
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