今日は知っていて損はない法律のハナシです。
民事事件というのは原則的に警察が介入しません。つまり当事者同士で解決するのが原則です。しかし、民間人といってもそこには力関係があるのが普通ですし、場合によっては金の力でねじ伏せられてしまうこともあります。つまり弱者は泣き寝入りが現実です。
そこで、弱者でも当然の権利を行使できる様にするため、国が援助している制度があります。民事法律扶助制度がそれです。「資力が乏しい為に弁護士に相談したり裁判を起こしたりできず困っている」人のために、法律相談を実施したり、弁護士費用などを立て替えるという援助制度です。これは財団法人法律扶助協会が国の補助金を受けて行なっている民事法律扶助事業です。
民事紛争の解決『(離婚・扶養や相続、金銭トラブル、サラ金関係、損害賠償、土地建物の立ち退きや明渡し、労働問題、医療問題、セクハラ、DV(ドメスティックバイオレンス)、家庭内暴力』に向けて法律相談、アドバイス、裁判の手続きが必要な場合の扶助を受けられます。そして援助を受けるには以下の要件を満たすことが必要です。
1)資力に乏しいこと(生活保護を受けている等)
2)勝訴の見込みがないとはいえないこと(つまり勝てる裁判)
3)法律扶助の主旨に適していること(権利の主張に正義があること等)
上記審査を経て援助が決定しますと、弁護士を紹介してくれ、一切の費用を立て替えてくれます。さらに、裁判前の示談交渉、民事事件の手続き代理、書類の作成等の援助をしてくれます。
この制度は無料サービスではなく立替え制度です。したがって立替えてくれたお金は返さなければなりません。つまり勝てる裁判でないと意味がありません。ですが、生活保護を受けていてかつ相手から金銭的利益を得ていないような場合は申請することにより免除が受けられる場合もあります。