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[444]投資と投機

銀行に預けてもホントにスズメの涙程度にしかつかない金利に愛想を尽かし、リスクは有るけれど大きな利益を得られる株式投資の人気が高まっています。

おりしもインターネットの発達でネット上で売買できるようになったことや、自由競争の原理で手数料などが安くなったことも人気の原因です。また小泉人気も株価上昇の大きな要素となっています。

しかし、基本的に「株」は元本保証ではないですから、リスクは常に伴います。単なる利殖の手段として考えると痛い目にあうのが「株」です。ここでは少し「株」とは何なのか?を確認したいと思います。

「株」は企業が資本金を集めるために発行する有価証券です。企業が事業を起こす上で金が要ります。その資金を調達するのが「株」というわけです。事業には「人」「物」「金」が必要ですが、その中で一番大事ともいえる「金」を調達するのが「株」というわけです。

「株」は証券会社から売り買いしますが、その目的には2種類あります。一つは「投資」、もう一つは「投機」です。

投資は、その会社が将来伸びるという「将来性」を買います。したがって、好きじゃなければ買いませんし、将来性が無ければ買いません。いったん買ったら株価が上がったって下がったってあまり気にしません。

その会社が利益を出せば、持ち株に応じた配当を受け取ることができますが、その配当を次の設備投資に回すこともできます。つまり、株を買うということは株主になるわけで、経営に参加するということなのです。その会社が倒産すれば株券はただの紙切れ同然になりますが、それも致し方ないことでしょう。

一方、投機は将来上がるか下がるかを見極めて、上がると見込んだ株を安いときに買い、値が上がったらさっさと売ってしまい、その利ざやを稼ぐものです。したがってその会社が好きとか嫌いは関係なく、少しでも株価が上がる要素があれば買います。

最近ではネット売買で手数料が固定されているものもあるので、一ヶ月の間に何回も売り買いして大きな利益を得る場合もあるようです。

しかし、所詮はその場限りの投機ですから危険が伴います。投機目的の株の売買については損してもいいように、余剰金で行なうのが良いでしょう。

つい最近、高額所得者の長者番付が出ましたが、その上位を占める人は株を売って所得を得た人のようです。しかし、この場合は投機ではなく長年持っていた株を売って得た所得です。株を毎日忙しく売り買いして長者番付に載った人はいないことを肝に命ずるべきでしょう。

株はその会社に惚れ込み、その会社をバックアップする縁の下の力持ちという考えのもと、長く所有するというのが大原則なのです。

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