国際的なテロが問題となっております。政府はタリバーンへの資金調達を断つため、タリバーン組織に関連すると思われる資金のを固定化する動きに出ています。それと思われる資金の引出しや預入れがあった場合、銀行は金融庁に届けなければなりません。
極悪な犯罪の再発を防止し犯罪組織を壊滅するためには、犯罪の背後に流れる「資金」の循環を断ち切ることが必要であり、そこで役立つのがマネーロンダリング対策です。
金融庁には組織的犯罪処罰法に基づいて設置された特定金融情報室があります。これは金融機関からマネーロンダリングの疑いがある取引の届出を受け、その情報を分析し犯罪捜査の一端を担う役割を果たしているのです。
マネーロンダリング(Money Laundering)とは簡単に言えば資金洗浄です。洗濯屋さんをランドリーといいますが、いってみればお金の洗濯でしょうか。ただし、その浄化の意味は不当に得た資金をあたかも正当に得たかのように見せるためのもので、「洗浄」ではありますが決してきれいなものではなく、立派な犯罪行為なのです。
犯罪によって得た資金や、違法な手段で得た収益は隠さなければ見つかってしまいます。その隠し先に銀行の口座に使えば、銀行もその犯罪の片棒を担ぐことになってしまいます。
またこのような行為を放置すれば犯罪収益が将来の犯罪活動に再び使われたり、犯罪組織がその資金をもとに合法的な経済活動に介入し、金に物を言わせて支配するおそれがあります。このようなマネーロンダリングの防止は犯罪対策上の重要な課題になっています。特に国際的なマネーロンダリング対策が急務といえます。
マネーロンダリングを防止するために、銀行に新たに口座の開設や、貸金庫、保護預り、信託の取引を開始する時は本人確認が必要となっています。また大口預金(一件当り3,000万円以上の取引)、外国への送金等、外国通貨もしくはトラベラーズ・チェックの両替取引の場合(一件当り500万円相当額を超える取引)も本人確認が必要です。
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