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[554]床の間

あと10日も寝ればお正月。26日にはクリスマス気分が一斉にお正月気分になるから面白いですね。洋から和へと世間は変貌します。

さて、お正月には来客があるかもしれません。客間は念入りに掃除をしておきましょう。お客として訪問しますと訪問先では客間に案内されます。客間といえば和室です。そして客間には床の間があるのが普通です。一般の普通住宅でも1階の和室には床の間があります。これは客間として使えるようにしてあるのです。

「床の間」の歴史は、室町時代に生まれ、安土・桃山から江戸時代にかけて完成したと言われています。床の間は、室町以前は床の間の主要部分の「床」「書院」「違い棚」はそれぞれ別の部屋に設けられていました。それらを一体化したのが「床の間」の始まりと言われています。

掛け軸は床の間に飾るものと思われていますが、掛け軸の歴史はもっと古いのです。室町時代以前は、掛け軸はもっと気軽に飾られていたようですね。

現代でも床の間には生け花や掛け軸をかけます。これは、お客様をもてなす気持ちがこめられています。生け花は今日お越しになるお客様の好きな花を生けます。お客様が生け花に詳しい人なら、流儀にこだわるのも良いでしょう。客間に通されたお客様が生け花を見て、そこに何かしらのメッセージを感じることができれば上質のもてなしです。

掛け軸はお客様ごとに替えるのが礼儀です。お宅の床の間、いつも同じ掛け軸がかかっていませんか?このお客様にはこの掛け軸と少し凝ってみるのもいいもんです。

掛け軸は自分の「書」を表装し、掛けるのが粋ですね。書がへただって良いじゃないですか。おいでになるお客様を想い、それにふさわしい「書」を掛けるなんて最高のおもてなしです。

訪れるお客様のマナーもあります。客間に通されたら、まず床の間に目をやってください。飾ってある生け花や掛け軸は「あなた」のために用意されたものです。掛け軸などは鑑定するのは難しいですから、わからないのに無理に誉める必要はありませんが、せめて興味を示すことくらいは亭主(ホスト)に対しての礼儀と知りましょう。

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