ラワンといえば昔から工作用あるいはDIY用の棚板などに活躍してきた木材で、合板の材料としても親しまれてきました。柔らかく加工が楽ですが、虫がつきやすく耐久力はありません。耐候性も弱いので屋外にはむかない木材です。
ラワンは熱帯雨林産のフタバガキ科広葉樹で、大木のため大径で節がなく安価であることから大正時代から大量に輸入されてきた木材です。産地は主にフィリピン、ボルネオ諸島、スマトラ、インドネシアです。
ところが最近になってラワンの木が枯渇化してきて、温暖化防止のためもあり熱帯各国で輸出禁止の動きになってきました。ラワンは人工的な植栽が不向きであるため、現在では代わって針葉樹の植栽が行なわれ、針葉樹の合板が流通し始めています。
ラワンは木目がありませんが、針葉樹の合板はきれいな木目が出るため、使い方によっては味わいのある材料となります。輸入されて針葉樹の木材は、ダグラスファー、北洋カラマツ、ラジアアーターパインなどです。国産のものも活躍していて、カラマツ、エゾマツ、アカマツなどが針葉樹合板として市場に出回るように成りました。
ところで、ラワン合板やベニヤ合板、コンパネなど色々な呼び名のある合板ですが、ラワンというのは木材の名前。ベニヤというのは木材を大根のカツラ剥きのように薄く切った単板をいいます。その薄いベニヤを接着剤で張り合わせたものがベニヤ合板またはラワン合板といいます。つまり正しく言うならラワン素材のベニヤ合板が正しい呼び名です。
コンパネというのは、コンクリートを流し込む時に使う型枠に使う合板のことで、ベニヤ合板の中でも耐水性のある接着剤を使い、厚さ12mm×幅900(あるいは915)mm×長さ1800(あるいは1830)mmのものを特にこう呼びます。またこの大きさの板は縦横が三尺x六尺であるためサブロク板ともいいます。
【関連記事】
[1076]チーク(TEAK)