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[618]ペットと法律

ペットを飼うというのはじつは大変なことです。ぺットショップで見て可愛いからといって衝動買いすると後になってエライコトになります。思ったより大変だとか、人に慣れないからとい簡単に捨ててしまったり、虐待して殺してしまったりするマナー違反がまかりとおっています。これはペットショップにも多少責任がありますね。いいことだけでなく飼うのは大変であることも説明しなければなりません。

例えばいま流行りのフェレット。フェレットは遊び上手で人にも良く慣れますが、よく考えればイタチです。イタチには肛門腺がありそこから非常に臭い分泌物を放出します。ペットショップでは肛門腺は除去されて売られているはずですが、除去手術の良し悪しによっては肛門腺が取り切れず、匂いが残ることもあります。臭くても終生愛して飼えますか?

フェレットに限らずペットは人間と共に終生共に生きるということが法律によって明文化されています。つまりペットの飼うには程度法律を知らなければならないということです。知らなかったでは済まされません。

ペットに関する法律は以前は動物愛護の立場にたった動物管理法(動管法)というのが昭和48年に制定されています。そして平成12年12月にこの法律を強化した改正法「動物の愛護及び管理に関する法律」が環境省の管轄となって施行されています。また犬猫に関しては「犬及びねこの飼養に関する基準」(昭和50年制定)というのがあり、細かい規定がたくさんあります。

その中に生活環境の保全という項目があり、これによれば犬の散歩の時の道路や公園、他人の土地への放尿や脱糞は抵触します。犬のフンは厳密には持ち帰りその場を洗浄しなければなりません。つまりスコップでフンを埋めてしまうのも基準によればいけないということになります。

法によれば、動物の所有又は占有者は感染症の知識を持つこと、としています。つまり飼い主は勉強しなさいと法は定めています。無知ではダメですということです。また病気に関することは獣医に任せればいいと思っている方も多いと思いますが、獣医とてスーパーマンではありません。そして獣医といっても専門外は意外と無知です。犬猫には詳しくてもフェレットは診察したことがないという獣医はいっぱいいます。つまり、飼い主はいざとなったら獣医となって自分で介抱するくらいの気構えと責任が必要だということです。

むやみな殺傷や虐待、遺棄は重い刑罰が待っています。対象となるのは犬猫などの哺乳類や鳥類のほか今までは含まれなかった爬虫類も含まれるようになりました。大きくなりすぎたワニも終生愛しましょう。ちなみにみだりに殺し傷つけた者は1年未満の懲役か100万円以下の罰金。給餌給水をやめ衰弱させる等の虐待と遺棄は30万円以下の罰金です。

飼い主には適正飼養義務があります。本能や習性生理をよく知って飼わなければなりません。例えば犬の場合は散歩は必須です。つまり散歩させないと違法です。散歩が面倒だからといって放し飼いは論外です。飼い主には危害防止義務があり、犬の行動を管理する義務がありますから。また意外と知られていませんが、しつけ義務もあります。特に「ダメ」の制止のしつけは必須事項となっています。

飼い主には終生飼養があります。とりあえず飼ってみよう、というのはダメです。飼う時は一生涯一緒に暮らす家族とするのが条件です。やむを得ず譲るより他に方法がないときには終生の適正飼養者を探す義務があります。

道路などの公共の場所で負傷したり病気の犬や猫を発見したらどうしますか?連れて帰るそれともほっておく?この場合はですね、すみやかにその所有者が判明しているときは所有者に、その所有者が判明しないときは都道府県知事等に通報する努力義務があります。知らん顔はいけません。負傷動物等を発見した場合は通報義務があります(第十九条)

犬又は猫の所有者はみだりに繁殖して適正な飼養を受ける機会を与えることが困難となるようなおそれがあるきは、その繁殖を防止するため、生殖を不能にする手術その他の措置をするように努めなければなりません。増えたから捨てるというのはダメ。また増えたらあげればいいや、というのも行きあたりばったり的で無責任な行動といえましょう。犬猫だけに適用されますが「犬又はねこの繁殖制限(第二十条)」という条文もあります。

しかしこうしてみてみると、飼い主としては当たり前のことばかりであることに気づきます。一部のマナー違反者により新しく法律ができ、あるいは改正になるというのはここでも定説なようです。

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