盲導犬、聴導犬、介助犬の三種を補助犬といいます。盲導犬はかなり社会的に認められてきていて、レストランやホテルなどでも断られなくなってきました。しかし、聴導犬や介助犬についてはまだ意識が低く、良くわかってない部分があるようです。
聴導犬とは聴覚障害者の耳の役目ができるように訓練されたイヌのこと。電話が鳴る音、玄関のチャイム、洗濯機のタイマー、目覚まし時計の音、やかんの湯が沸騰した音、赤ん坊が泣く声などを聞き分け、飼い主に吠えることなく知らせ、誘導するように訓練されています。
聴導犬はアメリカに3000頭、イギリスに500頭いるといわれます、日本ではまだ20頭ほど。1997年に設立された「ジャパン聴導犬協会」では聴導犬を増やすことを目的に、保健所で処分される運命にあるイヌたちの中から適性のあるものを選び、訓練して聴覚障害者に無料で貸与しています。
聴導犬は、盲導犬のような厳しい訓練は無く、適性如何でなれるようです。犬種も特定されず適性あれば雑種犬でもなれます。訓練の期間は約6~7ヶ月。ただし盲導犬と違って助成が得られないために高額な訓練費用(約100万円)がかかります。オレンジ色の首輪・引き綱が、聴導犬の印とされ、訓練後は難聴者に無償で貸与されます。
聴導犬を開発したアメリカでは、盲導犬と同じ扱いになっていますが、日本ではまだペット扱いで肩身の狭い想いをしているようです。聴導犬や盲導犬はその優れた能力もさることながら、身体の不自由にとってなによりも替え難い精神的なパートナーでもあるのです。
なお、2002年10月より身体障害者補助犬法が施行され、体の不自由な人を助ける補助犬を法律が認めました。この法律より10月から、電車やバスなどの公共交通機関や公共施設は、補助犬を連れた人の立ち入りや利用を拒否してはいけないことになります。宿泊施設や飲食店は2003年10月以降やむを得ない理由がない限り利用を断ることができなくなります。
ジャパン聴導犬協会
http://www.hearingdog.or.jp/
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