練炭って知ってますか?そう、蜂の巣状に穴の空いた炭です。
練炭は「木炭の細かい成分を練り固めたもの」か、というとそうではなく、じつは石炭から作ります。石炭にもいろいろあって、上質のものから質のあまり良くないものまで様々です。練炭は、もともとは上質の石炭から作られますが、日本の最先端技術は、質の良くないとされる褐炭(高水分・高硫黄・高灰分・低発熱量)を新技術でクリーンにし、強火力の練炭を製造することに成功しました。ということで練炭は今最先端なのです。
とはいえ、いまどき練炭を使っている家庭は日本では少ないと思います。練炭は一酸化炭素を出しますので、昔の家屋ならともかく現代の密閉された家屋には不向き。屋外や風通しの良いところでないと使えません。ではどうして今、練炭なのかというと、タイをはじめ東南アジアで人気なのです。
東南アジア諸国では燃料用木炭の生産のため、森林伐採が多く行われ、環境問題にまで発展しています。そこでタイでは国家的練炭製造事業を推進し、同国北部で進んでいる燃料用木炭確保のための伐採による自然破壊の歯止めに役立てようとするものです。そしてこの技術は日本から輸出されています。
タイではこの練炭工場を発電所内に設備し、付近に豊富にある褐炭を原料に練炭を作り、それを燃焼させて発電するとのこと。
一時は引退したかのように見えた練炭ですが、晩年に返り咲いたという感じですね。がんばってほしいと思います。
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