企業の経営状態を新聞などで見る場合、前年度と比較して「増収」だとか「減益」だったとかいう表現を使います。
「増収」というのは「売上」が前年度に比べ増えていることをいいます。120円のハンバーガーを59円にした結果、前年度120%の増収になった、などという使い方をします。
しかし、売上が増えてもその実態はどうかはわかりません。上のハンバーガーの例で言えば逆に「儲け」はあまりないかもしれません。売上が増えても利益が増えるとは限らないからです。
利益というのはいわゆる「儲け」ですが、その利益にも大きく分けて3種類あります。営業利益、経常利益、そして当期利益です。
営業利益というのは、その企業の主たる営業によって得られた利益のことをいいます。売上からその売上に対する売上原価を差し引き、売上を上げるために使った販売管理費を差し引いたものをいいます。企業の主たる営業により生み出される利益ですから、これは重要です。
経常利益というのは、営業利益に加え、主たる営業以外の収支を差し引きした結果の利益をいいます。ハンバーガーを売って儲けた資金で株を運用したり土地建物を売買したりして得た損益の結果が経常利益です。
主たる営業利益が赤字でも経常利益で黒字にすることも可能です。いわゆる「バブル」の時期は本業よりも財テクで黒字になっていた企業も多かったことと思います。
現在企業が苦しいのは、本業の営業利益がなかなか上がらず、また資産運用などで以前は得ていた経常利益が、今は得られないからです。企業の体質を資産運用ではなく本業で得るように改善しなければ生き残ることはできません。
経常利益からさらに営業とは関係の遠い特別な損失や利益、また前年度の修正などを増減して、当期利益が算出されます。利益が出ればここから法人税を払い、残りが未処分利益(純利益)となるわけです。この未処分利益から役員のボーナス、株主配当が支払われます。あるいは次期に備え、留保するということもあります。