カリスマ美容師、カリスマ社長、ブティックのカリスマ店員など世の中には「カリスマ」が溢れかえっています。ここで素朴な疑問。
「カリスマってなに??」
通常私たちが使う「カリスマ」は普通の人間が持っていないような資質、ずば抜けた才能を持つ人をいい、そしてその資質は人をひきつけ心酔させるものでなければなりません。人格が伴っているわけではないけれど、その道においては他を寄せ付けない。そんな意味で使っているのではないでしょうか?
こういった意味での「カリスマ」を使い出したのは20世紀になってからことで、マックス・ヴェーバーという社会学者が社会科学の用語として使い始めてからです。しかし本来の意味は宗教用語で新約聖書の「神の賜物」からきているようです。
語源はギリシア語の「カリス」。これは「恵み・好意」という抽象的な意味の言葉ですが、これを具象化した言葉が「カリスマ」。すなわち「無償の賜物、授かりもの」という意味です。
新約聖書によればカリスマは「神からの授かりもの」であり決して「人から与えられたもの」だったり「人間自身の努力で獲得したり」するものではないとしています。つまりカリスマとは人間業ではなく「神がかり」ということになりましょうか。
興味深いのは「カリスマ」は「善」とは限らないようで、例えば、呪術者、預言者、海賊や盗賊団の首領、独裁的支配者など「悪」をも「カリスマ」としているところです。つまり神だけではなく悪魔からの賜物も含むということでしょうか。だからこそ「神秘的なカリスマ」なのでしょうね。