これは「トンコレラ」と読みます。3月18日、鹿児島県で豚コレラ抗体が見つかった事件でその原因が未確認ワクチンの接種であったことが明らかになりました。抗体が見つかったことと、感染して発病したこととは別問題なので、今後感染が拡大する心配はなさそうです。
豚コレラは豚コレラウイルスによって感染する病気で、豚やイノシシに感染します。人へは感染しないので安心してください。感染した豚は、食欲不振、高熱、結膜炎、便秘、下痢、神経症状を起こし、末期には皮膚紫斑を起こし死亡します。
日本では平成4年(熊本県)による発症を最後として撲滅されたものとされますが、平成12年からワクチンも不使用ということになったはずなのですが、今回の事件で、養豚業者によってウイルス抗体がまだ日本に存在することが明らかになったことになります。
ウイルスによる感染症の場合、感染を予防する場合にはワクチンが有効です。しかしワクチンというのは病原菌を弱めたものを敢えて接種し、免疫を作る方法。そのため何万分の一かでその病気になる可能性も秘めているわけです。感染した豚から野生のイノシシに感染したら大変なことになります。
そのため、完全にその病気をなくすためには、ワクチンさえも打たない、という方策が必要になるのです。わが国では、平成4年より以上のような理由でワクチンも使用禁止にしてきましたが、今回もぐりでワクチンを使用していたことが発覚してしまったというわけです。
鳥インフルエンザやBSE問題などで、食料に携わる業者は喧々諤々としており、予防をかねて今回の接種に至ったのだと思います。心中察せるものがあります。
無断で未公認の接種をした場合、薬事法と家畜伝染病予防法違反罪となり刑事告発対象となります。厳罰に値する行為なのですが、農水省はその背景を深く吟味する必要があるでしょう。食が危なくなってきているのです。本当に処罰の対象となるのは、養豚業者などの弱者ではなく、政府であり農水省ではないでしょうか?