ダイエットをしているとよく耳にする言葉です。リバウンドとは、ダイエットによって減少した体重が短期間で元に戻るか、あるいはダイエット前よりも体重が増加してしまうことをいいます。
人間に限らず生物には生体を正常に保とうとする機能「ホメオスターシス(生体恒常性機能)」があります。生命維持のために大事な機能で、これが機能するからこそどんな環境変化にも適応することができるのです。
急に寒くなれば寒さに耐える脂肪層を作る、急に暑くなれば代謝を活発にして体温を放出する機能が増強される。食糧難になれば、しばらく食べなくても大丈夫なように身体に脂肪を貯めこむとともに少ない摂取カロリーで生活できるようになる、などの作用があります。
ダイエットをすると、カロリー摂取環境が変化するため、こういった適応能力が発揮されます。その状態で元の生活に戻した時に生体は余計にカロリーを摂取するため体重が元に戻る、あるいは余計に増えてしまうことになります。リバウンドはダイエットを行なった場合に誰もが多かれ少なかれ経験する人間の生命維持活動ということができます。
リバウンドが起こりやすい別の理由もあります。それは、ダイエットで体重が一時的に減っても、人間の細胞の総数は変わらないということです。特に気になる部分の脂肪層は約300億個の細胞からできていますが、この総数は胎児期、乳幼児期、思春期時期に急激に増えますが、それ以降は増えも減りもしないのです。
つまり、成人したヒトが痩せるというのは脂肪細胞が減るのではなく、その細胞自体の体積がしぼんで小さくなるだけ。したがって、元の生活に戻れば、細胞は正常に戻ろうとして膨らませるので、元に戻ってしまうというわけです。
一旦太ってしまった人は、無理に痩せようとせず、規則正しい生活や適度な運動で、太ったまま健康を維持することに専念したほうがよさそうです。それのほうが気も楽でしょう。