アパートやマンションなどの賃貸物件を借りる時には、敷金、礼金、仲介手数料と大体3種類の費用がかかります。
金額は敷金2ヶ月、礼金2ヶ月、仲介料1ヶ月が普通。家賃が10万円だったら最初に50万円はかかるということです。ただし、これらの費用は物件によってはかなりのばらつきがあります。
敷金は、入居時に家賃滞納や補修などの担保として家主に対し預けるもので、本来は退去時に全額返済される性質のものですが、実際には部屋のリフォーム費用を差し引かれて返ってくることが大部分です。畳に焼け焦げを作ったり、壁に穴を開けたりしたら追加請求されたりもします。
畳やふすまなど通常の損耗は、家賃に含まれると解釈されるので、敷金をそれに当てるのは違法となります。裁判で戦えば必ず勝てますが、そこまでは面倒なので家主の言いなりになるのがやむをえないところ。通常でない損耗は当然差し引かれても文句は言えません。賃借人には原状回復義務ってのがありますから。
契約書に敷金を償却する旨を明記する場合もあります。これを敷引きといいますが、これは例えばその賃貸借契約の期間が2年であり、敷金が家賃の2ヶ月分だとすると、2年が経つと敷金がゼロになるという契約。この場合、3年目に入るときに(契約更新をするとき)また敷金を預託することになります。
敷金を保証金ということもありますが、保証金は商業ビルのテナントなど会社相手の場合に使い、敷金は個人住宅に使うことが多いようです。意味はほとんど同じ。保証金も保証金償却といって、そういう契約がなされている場合は年数に応じて戻ってくる金額は減額されます。
しかし、本来保証金や敷金は担保でありますから全額戻すのが本筋なのです。これは家主も知らないことが多いので、不動産業者のみならず家主と交渉してみるのも妙案です。最初の契約は後にも影響するので契約内容はきっちり吟味しましょう。うまくすれば敷金礼金をなしにすることもできます。
礼金は、入居時に家主に対して支払われるものです。権利金ということもあります。敷金と違って退去するときでも戻ってきません。礼金という言葉は、戦後の焼け野原で住むところがない方々がお礼の意味で包んだ事から始まったとされるもので、東京を中心として広がっていった習慣のようです。
通常礼金は入居時に一回だけ支払います。地方によっては毎年支払うような契約も有るらしいですが、そのような契約は改善するよう要求しましょう。
最近では敷金0礼金0の会員制賃貸マンションもあるようで、これなどは明朗会計でいいと思いますが、その分退去費用を多く取られるようです。敷金礼金ゼロの物件は退去費用を必ず確認しましょう。
尚、住宅金融公庫で融資を受けた賃貸物件では、家主は権利金、礼金および更新料を取ってはいけないことになっています。