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[796]司法取引

アメリカ合衆国には裁判に関して「司法取引」という制度があります。これは被告が罪を認める代わりに検察側が刑を軽くする等の取引をすることです。取引の目的は審理の簡素化にあります。

2004年9月11日、ジェンキンスさんはキャンプ座間に出頭しアメリカ軍に戻りました。これから色々な手続きを経て処遇が決まるわけですが、ジェンキンスさんは高齢でも有り、早く日本での平和な生活を求めてのことでしょう。もはや逃げることもできないのですから。

検察側と被告側が取引するわけですから、双方にそれなりの利益がなければ成立しません。今回ジェンキンスさんは長年北朝鮮で生活していたわけですからそれなりに北挑戦の情報を持っているわけです。その情報が取引の材料になると考えられます。

日本としては、曽我ひとみさんの拉致被害者問題も有り、早期解決を望んでいますが、これは米政府とジェンキンスさん個人の問題であり、どうなるかは当人同士の交渉次第です。楽観視はできません。

ちなみにジェンキンスさんの罪は(1)脱走(2)他の兵士への脱走教唆(3)利敵行為(4)忠誠放棄の奨励となっていますが、司法取引をするのはこの4つの罪を全て認める必要があります。戦時の脱走や利敵行為は最高刑が死刑の重罪です。

司法取引では、当局に有利な情報を提供すれば、より減刑がされますが、ジェンキンスさんすでにどういう減刑がされるか知っているのではないかとの見方もあります。

当時北朝鮮に亡命したのはジェンキンスさんほか6名。そのうち2名が死亡したとされますが残り3名の所在は謎です。そのあたりの重要な情報を提供し「不名誉除隊」で決着する可能性が高いとされています。

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