モータースポーツといえば、スピードと耐久性を競うものがほとんどです。サーキットなどで行なうレースは先にゴールに達したものが一着であり優勝者です。従って速く確実にゴールするという使命を持って選手やメカニックが努力します。
しかし、ラリー競技はちょっと違っています。まず、ラリーが行なわれるコースは一般道(公道)です。公道の一定区間を閉鎖して、その区間のタイムを競うスペシャルステージ(SS)とSSとSSの間の移動区間を指定速度で走るロードセクションで構成されます。SSで一番速く走った人、そしてロードセクションでできるだけ正確に走ることが優勝の要因となります。
そのためラリーで勝つには高度の情報が必要とされます。その情報を提供するのがナビゲーターです。ナビゲーターはコンピューターと動物的カンを働かせ道路の状況を瞬時にドライバーに伝えます。つまりラリーは2名乗車で行ないます。高速で走る車内ではインカムとよばれる無線通信が使われます。騒音で音声は聞こえないのですね。しかしこれも壊れることがあるらしく、そのときに備え身振り手振りのブロックサインなども決めておくとのことです。
ラリー競技で有名なものにはサファリ・ラリー、パリ~ダカールラリーなどがあります。そして自動車メーカーもラリーには力を入れています。なぜなら他のレースと違って、ラリーで走る車は市販車であり、良い結果を出せば、それは市販車の高性能を証明することになるからです。
特に力を入れている会社はスバルと三菱でしょう。ラリー用に開発されたスバルのインプレッサWRXは、WRCを意識したネーミングからもその意気込みが感じられます。WRC=世界ラリー選手権(WorldRallyChampionship)
さて、今年(2004年)の9月3日に行なわれたのは北海道十勝地方での世界ラリー選手権(WRC)。林道をコースに仕立てた日本初開催の世界ラリー選手権(WRC)に地元は沸きましたが、一方で自然保護団体が開催に抗議する動きもあったようです。今回のコースは自然が残っている林道で行なったからです。自然を舞台に熱いバトルを交わすのはラリーの選手たちだけではないようです。