お正月と言えば昔は獅子舞いが各家庭に来て、子供心に怖かった思い出がありますが、最近はとんとみかけませんね。また初詣に行くと神社の入り口の両脇にいて見張っている獣が狛犬。獅子舞の獅子に似ています。また沖縄では屋根の上で見張っている獣がいますがこれがシーサー。ライオン、獅子、狛犬、シーサーは元をただせばどれも同じです。
狛犬は「高麗犬」、「胡麻犬」とも書き、神社の入り口や拝殿の前などに置かれている一対の獣像で、原形はインドにおけるライオン像。それが中国大陸から朝鮮半鳥を経て日本に来ました。沖縄県では「シーサー」といわれる獅子が各家の屋根に魔除(まよけ)として置かれていますが、神社の狛犬も同様に守護と魔除のために置かれています。
インドには絶滅の危機に瀕していますが現役でインドライオンがいます。これがルーツだと思います。狛犬というと犬のようですが、ライオンならば猫ですね。
一般的に狛犬は、二匹で一対になっていて、一方は口を開け、一方は口を閉じ「阿吽(あうん)」を表しています。口をあけているのが「阿(あ)」。物事の始まりを表します。閉じているのが「吽(うん)」。物事の終りを表しています。阿形(あぎょう)が獅子、吽形(うんぎょう)が狛犬というのが本来は正しいのです。
寺社仏閣の入口にある山門等にも仁王像、金剛力士像がいて厳しい形相で守っています。これも阿吽像。阿形の像は悟りを求める菩提心を表し、そして吽形はその結果としての悟りを得た像です。
ちなみに世間を騒がせたオウム真理教の「オウム」はこの阿吽が語源です。阿吽は宇宙の始まりから終りまでを表しており、そのなかにおける真理を教えるものでしょう。実際はどうも違う事を教えていたようですが。