サイトアイコン 常識ぽてち

[903]並行輸入

並行輸入とは、正規代理店を通さずに独自に輸入することを言います。例えばベンツはヤナセや日本メルセデスベンツ社から買うのが普通ですが、ドイツに行って、ベンツの中古車を探し、それを自分で輸入の手続きをして日本に送るのは並行輸入です。ただし、日本で走らせるための車検を通すにはなかなか辛いものがあると思います。

販売する場合でも並行輸入で輸入した物は本物であり「並行輸入品」として販売すればなんら問題はありません。例えばベンツであっても「並行輸入品ですよ」と明示して販売は可能です。それをヤナセや日本メルセデス社などの「正規代理店品です」として売ってはいけません。これは違法行為になります。

並行輸入は違法行為ではありませんし、自由貿易の観点からすれば奨励されるべきものです。正規代理店からすれば煙ったい存在ですが、並行輸入者に対して並行輸入をやめさせることはできないのです。

といってもこれは日本の場合。他国では並行輸入を禁じている国もあります。また、頒布権や商標など別の権利が存在する場合は、並行輸入自体は合法でも、そちらの権利の侵害で訴えられることがありますので注意が必要です。

並行輸入には大きなメリットがあります。本国で売られている物でも正規代理店が日本に入れていないものもあります。並行輸入ではそういったレアものも手に入れることができます。また価格も安いことが魅力です。

ただし正規代理店はそういった並行輸入品に対しては、責任を持たないのが普通です。買い切りのバッグや服飾品ならばそれほど問題にはなりませんが、車のようにメンテナンスが必要なものは、正規代理店は部品さえも売ってくれないので、細かい部品も本国から自分で調達しなければならない面倒があります。そういったサービスも含めて正規代理店は価格を決めているのであり、一概に高いと決め付けることはできませんね。

なお、東南アジア発ロレックスやヴィトンのバッグなどで問題になっている偽造品の輸入は、並行輸入ではなく犯罪行為になります。ニセモノであることを知っているいないにかかわらず、税関で没収されてしまいます。もちろん支払った代金は水の泡です。

【関連記事】
[377]輸入から起業へ ふたたび – 誰でもなれる国際人

モバイルバージョンを終了