木枯らしに吹き寄せられた落葉が例年になく多いように感じます。カサカサ踏み鳴らす落葉の音も、なかなか風情がありますね。
その落ち葉が腐って土になったものを腐葉土といいます。自然界では自然に発生するものですが、園芸用の土壌改良剤として優れているため、山から採取するもののほか人工的に作って販売しているものもあります。
なぜ、腐葉土は植物にとっていいのでしょうか?それは、土壌を活性化して微生物の生育を助けるからなんですね。
植物は土の中に根を張って、そこから養分を吸収しますが、その養分は無機質でないと吸収できません。ところが、有機栽培に代表されるように、肥料は有機質の物を与えるのが主流です。有機質の肥料を与えても植物は吸収できないのです。そこで中間的に活躍するのが微生物。微生物は有機質の肥料を無機質に分解して植物を育てるのです。つまり植物は微生物無しでは生きられないのです。
その微生物を土壌に増やしてくれるのが、腐葉土です。腐葉土は腐熟・分解が進む中で糊のようなものを発生し土を団粒化して土が固くなるのを防ぎ、通気性を良くし保水力・保肥力を増加させてくれます。微生物が快適に過ごせる環境を作ってくれるのです。土の中で元気に活動する微生物は植物の元気と一心同体なのですね。
なお、腐葉土はそれ自体肥料としてはあまり効果はありません。肥料は有機質のものを別に与える必要があります。腐葉土は微生物を補給するためのものであり、その微生物の食料となる肥料は別の与える必要があると理解するとよいでしょう。園芸用としては腐葉土は庭土などに三割ほど混ぜて使います。
【良い腐葉土の見極め方】
色:濃い黒い色(茶色の物は分解が足りない)
形:わずかに葉の繊維がそれと分かる程度に分解されている。葉の形がそのまま残っている物は分解不足。ただし、分解が進みすぎて粉状になってしまっている物は却って良くない。
触感:触るとぼろぼろ崩れる感じ
臭い:無臭
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