動物には大きく分けると草食動物と肉食動物がいます。草食動物はウサギや馬、牛やヤギなど。肉食動物は犬や猫、ライオンなどです。人間はどちらでもなく雑食動物といえます。イタチ、タヌキ、ネズミ、熊、豚なども雑食動物です。
これらの分け方は、食物の分解を行う消化器官の働きによって分けられます。自分の好みではなく分解能力によって分けられているので、猫に草だけの食事を与えたり、ヤギにステーキを与えたりするのはちょと無理、というもんです。
特に牛や、ヤギ、鹿などは反芻動物といわれ、4つの胃を持つことでも知られています。第一の胃と第二の胃には胃液や消化酵素はなく、そこは主に硬いセルロースを微生物によって分解をする場所になっています。食物を口で咀嚼し、胃に送って部分的に消化した後、再び口に戻して咀嚼するのです。こうして唾液と混ざったセルロースはやがてグルコース(ブドウ糖)となって最終的にエネルギー源となります。
しかし、ここでエネルギーの元となるのは微生物にとってであり、牛のエネルギーとなるわけではありません。しかし微生物がエネルギーを消費する時点で生産される揮発性脂肪酸とメタンが牛の栄養源になるのです。このメタンは地球温暖化の一因とも言われていますが真実かどうかは定かではありません。
地球を覆っている植物を捕食する草食動物はその数も多く、犬や狼やライオンの肉食動物はそれらの草食動物を捕食するように自然に仕組まれています。そして肉食動物は草食動物よりも数が少なく、これも自然に仕組まれているのです。草食動物は優しく、肉食動物は残酷、と決めつけることはできません。肉食動物は草食動物を捕食することが正しい仕事なのですから。
ちなみに、牛の胃は焼肉屋でも人気です。メニューにあるミノは第一胃袋。蓑傘に似ていることから命名。ハチノスは第二胃袋。その名のとおり蜂の巣のような形状です。センマイは三番目の胃をいいます。壁が多くあることから千枚と名づけられたようです。今度食べる前にじっくり観察してみてください。