民放テレビを見ていますと「テレビはアナログから地デジに変わります」と草薙君が叫んでいます。これを見て皆「ふーん」と思っていることでしょう。変わってどうなるの?って感じ。きわめてのん気です。これは「変わる」ではなく「今のテレビでは見られなくなる」とはっきり言う必要があります。これなら皆「えっ?」と思うはずです。
地デジとは地上デジタル放送のことです。現在のテレビ放送はアナログで放送されています。これが2011年の7月にBSも地上波も全部廃止になります。一方で、地上デジタル放送は2003年に一部の地域で開始となっていますが、2005年12月には全国で見られるようになりました。2005年は地デジ元年なのです。
ところが、世間ではあまりこの「地デジ」にはあまり関心が無いようです。その理由は現在テレビがいつもどおりに見ることができるからでしょう。しかし2011年には古いテレビでは放送は全く見ることはできません。またテレビを新しくしても地上デジタル放送はアンテナが今までのとは違いますのでアンテナが従来のままでは同じく見ることはできません。つまり2011年以降も同じようにテレビを楽しむにはテレビを新しくし、アンテナも取り替える必要があるということなのです。
新しいテレビを買うときには注意が必要です。地上デジタル放送を見るには、テレビに地上デジタルチューナーが内蔵されている必要がありますが、新しいテレビにはほとんどが内蔵されています。しかし、ケーブルテレビや地上デジタルチューナー内蔵ビデオデッキなどを使うことを想定しているテレビは新しくても地上デジタルチューナーを内蔵していないものもあります。新しくテレビを買い換えるときは、地上デジタルチューナーが内蔵されていることを店員さんに確認したほうがいいでしょう。
さて、地上デジタル放送はどんなことができるのでしょうか?
まずあげられるのがハイビジョン放送です。今までのアナログ放送でもNHKはハイビジョン放送をしてきましたが、今度は民法でもハイビジョン放送が始まります。しかも総務省では地上デジタル放送の基準として放送内容の50%以上をハイビジョンとする、と決めているのでほとんどの放送がハイビジョンで楽しめることになりそうです。
ちなみに、ハイビジョンとは解像度がアナログ地上波放送では525本の走査線で画面が画かれていたのが一気に1125本の走査線に増えます。画面の解像度も1920×1080ドットで放送されるので精緻な画像が見られます。画面の縦横比も従来の4:3から16:9になったため横に広がりゆったりとした画像になります。
この解像度1920×1080ドットはフルハイビジョンといわれ、これに対応するテレビはじつはまだあまり販売されていません。ほとんどのメーカーでフルハイビジョンに対応するテレビを作ってはいますがかなり高価です。そのなかで特に力を入れているのはビクターです。フルハイビジョンにこだわるならばビクターのテレビは候補に挙がるでしょう。
その他のメーカーはほとんどが1,366×768ドットに圧縮して表示させる方法をとっています。こちらは32型や37型など競争花盛り、どこのメーカーも売れ筋となっています。