経済の動向を示す意味で「ハードランディング」とか「ソフトランディング」などという言葉が使われます。
意味はその名のとおり、ハードランディングは硬着陸、ソフトランディングは軟着陸です。どちらがいいといえば軟着陸=ソフトランディングに決まっています。
ハードランディングとは、バブル状態になった経済がガラガラと音を立てて崩壊することをいいます。バブル状態とは泡が膨らむように経済が膨張すること。投機熱が高まり、株価は大きく上昇しますが、泡のごとく実態がないため、その後は深刻な景気崩壊が起こります。
バブルな好景気が起こってくると、その後にくる沈静化に備え、なんとかハードランディングを避け、ソフトランディングに誘導しようとするのが政治です。しかしその思惑とは裏腹にハードランディングしてしまうこともままあります。
日本の場合を見てみると、1990年前後をピークとしたバブル景気があり、このときは、不動、株価、ゴルフ会員権、絵画などあらゆる商品がバブル化現象を起こしました。しかし2000年前後にはそれも崩壊し、その後に続く10年は平成不況といわれ失われた10年とし歴史に残ることとなります。
今、中国が好景気の波に乗り、またインド経済なども急成長しています。しかし景気というのはいつまでも続くものではありませんから、いつかは上昇が止まります。そのときにハードランディングにならないよう、皆で気をつけているのです。
しかし、上海の株式市場で大幅に株価が下落したこともあり、中国では確かに好景気に対する懸念があり、もしかするとハードランディングの可能性もあるのです。
北京オリンピックがおそらく好景気のピークになるであろうとされていますが、その後の中国の政策が見ものとなることでしょう。もしかするとハードランディングを避けるために戦争が起こるかもしれません。戦争を好景気への引き金とする政策はどこに国でも行う政治の常套手段だからです。