学校の荒廃が叫ばれて久しいですが、現状は一向に良くなっていないようです。これは学校に何でも責任を押し付ける親と社会に問題があり、それを受ける教職員が疲弊しきってしまったことに原因があります。
そもそも教育は親、学校、社会ともに行うべきものであり、そこには次世代を担う子供たちに対する「尊敬と愛」が必要であり、根底にそれがあれば体罰なども大して問題にならないはずのなのです。この「愛」がどっかにいってしまっているから体罰は単なる暴力になってしまい、おかしなことになっているのではないかと思います。
今の世の中、体罰など与えたら、新聞に載ってしまうほど過敏になっているのですが、子供が学校で体罰を受けたということが実際に多くあり、問題になることがあります。そもそも学校における体罰は許されているのでしょうか?
学校教育法ではその第11条において「校長および教員は教育上、必要があると認めるときは監督庁の定めるところにより、学生・生徒および児童に懲戒を加えることができる。ただし、体罰を加えることはできない。」とされています。
つまり体罰は禁止されています。
学校現場における体罰は法律で禁止されているにもかかわらず、事故事件が減らないのは、その条文の中に「懲戒」の言葉があるからです。
教員の懲戒が体罰にあたるかあたらないかは、判例で分かれているのも体罰が減らない原因の一つです。殴る蹴るなど身体の侵害はもちろん、正座のような肉体的苦痛を与えるものも体罰とする判例がある一方で、拳で頭を数回叩いたにもかかわらず、それが正当な懲戒であると認められた判例もあるからです。
判断の基準は「教師が個人的な感情を抑制し、説話と同じ程度の軽微な身体への侵害は教育的な効果が期待できる」かどうか。しかしこれらは法廷で行われる判断であり、現場で勝手に判断してしまって体罰を正当化するのはお門違いといえるでしょう。法律で禁止されている以上、現場では身体への侵害となる体罰はあってはいけないのです。
ちなみに教員以外の者が体罰を加えた場合は暴行罪や傷害罪、死亡した場合は致死罪が成立します。これらの刑事上の責任とは別に民事上の責任も問われますので治療費や慰謝料なども請求されてしまいます。
【関連記事】
[1015]教育基本法