両社の合併問題が話題となっています。ペンタックスといえば、旭光学工業。日本で始めて一眼レフカメラを作った老舗メーカーです。ペンタックスのペンタは五角形の意味。カメラのファインダーに内蔵される五角形のペンタプリズムが語源です。
旭光学工業は2002年に社名をブランド名である「ペンタックス」に変更。年配の方は6x7版などの一眼レフカメラの愛好家も多いことでしょう。もちろん日本ではキヤノンとニコンに並ぶ一流のカメラメーカーです(でした?)
一方でHOYAといえば、いまや最先端の技術を持つ一流レンズメーカー。昔はHOYAクリスタルという高級ガラスコップなどを作っていましたが、もとはガラス屋です(でした?)。東京都保谷市(ほうやし=現在の西東京市)にあった保谷ガラスが前身。したがってHOYAの読みは(ほーや)が正しい。
騒動は、HOYAがペンタックスを買収すると持ちかけたことにあります。一介のガラス屋が一流カメラメーカーを買収する。当時を知る年配者にしてみれば一大事です。
そして、もっと一大事だと思ったのは、ペンタックスの経営陣でしょう。一介のガラス屋に買収を持ちかけられるなど死ぬより恥ずかしいことでしょう。しかし時代はそういう時代なのです。ニコンやキヤノンのように時代に乗り切れなかった企業は消滅するしかありません。それを救ってくれるだけマシなのです。つまり、ペンタックスにしてみればHOYA様様。
こういう事情はあまり口外されませんが、両社の歴史を知る人ならば容易に想像できます。ペンタックスの経営陣は見苦しい。もし、ペンタックスの若手社員の将来を案ずるならば、潔く合併に応じ、時代を追いきれなかった現経営陣は引退すべきでしょう。そして新生HOYAペンタックスHDとして次世代に繋ぐべき。いやこれは私が言うのではなく、時代がそう言っているのです。
心情はともかく、技術力のある両社です。この合併はおそらく相乗効果を招き、株価は大幅に上昇すると思います。
HOYA株式会社
設立 1944年(昭和19年)8月23日
資本金 6,264,201,967円 (2006年9月30日現在)
本社 〒161-8525 東京都新宿区中落合2-7-5
従業員数 3,338名
株価 3,710円(2007年5月2日現在)
ペンタックス株式会社
創立 1919年11月(大正8年11月)
本社 〒174-8639 東京都板橋区前野町2丁目36番9号
資本金 75億1,046万円(2006年9月30日現在)
従業員数 1,336名(2006年9月30日現在)
株価 760円(2007年5月2日現在)