東京の三鷹市に上連雀という町があります。読みはカミレンジャクですが、この地名には色々な訳があるようです。
レンジャクとは元々は連尺と書き、意味は背負い籠の荷縄(肩紐)をさして言います。この肩紐は端切れ布を巻いて作るのでことのほかカラフル。これが結構人気だったりします。
この背負い籠はもともと行商人が使っているもので、江戸時代その行商人が集まっていた町が神田連雀町。現在の神田淡路町・須田町界隈をさします。最初は連尺由来のため連尺町といっていましたが、いつしか連雀町と字が変わりました。こっちのほうがかっこいい?
その後1657年の江戸大火の後、防火目的の区画整理のため、武蔵野の今の三鷹あたりに移転しました。江戸から下ったから下連雀。その後、京都側に位置する上連雀町もできて現在に至ることとなります。
連雀というのは連なる雀と書きますが、雀の仲間でレンジャクという鳥も存在します。上連雀と関係があるかどうかは定かではありませんが、地名として元々のいわれは鳥ではなく荷縄のほうの連尺が由緒正しいようです。
三鷹市も鳥の名前が付いてますが、これは徳川御三家が鷹狩を行なった鷹場の村々がちょうどこのあたりだったので三鷹と名が付いたという説があります(ほかに諸説あり)。
ちなみにレンジャクという鳥は、日本では冬に渡ってくる、渡り鳥です。尾と翼の先が黄色いのが「キレンジャク」。同じ部分が赤いのが「ヒレンジャク」です。大きさは雀より大きく、頭に冠羽があるのでそれと判別できます。
【関連記事】
[975]ホトトギスの托卵
[273]渡り鳥