この法律の名前、よく見ると「規制」ではなく「規正」となっています。「規制」は物事を制限するという意味ですが「規正」は正すという意味です。「政治にまつわる金」がいかに今まで不正が多く「正さなければならないもの」であるかを覗い知ることができます。
政治資金規正法は1948年に制定されました。政治資金の透明性と政治献金などを規制(規正)することを目的としています。この法律ができても政治資金にまつわる事件は後を絶たず、そのたびに改正されてきた法律です。この法律によっても違反が多いことは、いかに政治と金が密着しているかの証でもあるわけです。
この法律によれば「政治献金」自体は認められています。ただし政治献金を政治家個人に行なうことはこの法律により禁止されています。政党は非営利団体であるので、活動するためには政治献金が不可欠なため、政党に対する政治献金(寄付)は認められています。
それでも、政党に対する企業からの多額の献金は、政党と企業の癒着を招くため、政治資金規正法により上限が一億円と決められています。しかし一億円もの寄付を営利企業が何の見返りもなく献金するはずがなく、依然としてこの法律の意味が問われているのが現状です。
いわゆる「資金集めパーティ」。一枚2万円もするこのパーティは券を買うことに目的があります。もちろん参加してもいいのですが、ビール一杯を乾杯してそれで終わりのパーティです。こんな金集めだけのパーティを認めているのもこの政治資金規正法なのです。
今の日本は政党政治の仕組みを取り入れていますが、政党自体の運営に金がかかるということでしょうか。そんな仕組みも変えていく必要がありそうです。
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