守前事務次官が国会の証人喚問で、宴会に出席した人物として、額賀氏や久間氏の防衛関係の名前が出てきて騒然となっています。政治家として宴会に出席するのは日常茶飯事ですから別に犯罪ではありません。しかしそこで利益供与の打合せ等が行なわれたのならばこれは汚職となります。民主党はすかさず、現閣僚である額賀氏の問責決議案を国会に提出するとしています。
守屋氏喚問で「宴席に額賀・久間氏」 民主、問責も視野。
防衛省の守屋武昌・前事務次官(63)は15日、参院外交防衛委員会での証人喚問で、軍需専門商社「山田洋行」元専務の宮崎元伸容疑者(69)=業務上横領などの容疑で逮捕=との宴席に額賀福志郎財務相と久間章生元防衛相が同席していたことを明らかにした。民主党は衆院で両氏の証人喚問を求めるなど、国会での説明を要求。同党は現職閣僚である額賀氏の問責決議案の提出も視野に入れており、進退問題に発展する可能性もある。(2007年11月16日朝日)
問責決議案とは、個人の責任を国会の場で追及する手段で、国会で公に決められた手続きです。参議院では不信任決議案を提出することができないため、問責決議案で閣僚の責任を問おうとするものです。不信任決議案と違って可決されても強制力はありません。
政府に何か問題があった場合は、衆議院では「内閣不信任決議案」を、参議院では「問責決議案」を出すのが通例となっていますが、問責決議案は衆議院でも出すことはできます。
衆議院で「問責決議案」が出されるのは、衆議院役員の特別委員長に対してです。また参議院であっても議長、副議長、事務総長等に対しては「不信任決議案」が有効です。衆議院だから「不信任決議案」、参議院だから「問責決議案」、と一概には分けられないところがややこしいところです。
現国会では「内閣不信任決議案」が仮に衆議院で提出されても、衆議院は与党過半数なので可決はされません。しかし今の内閣が不適当であると何らかの理由で国会が判断したときには、内閣は総辞職するか、衆議院を解散して総選挙を行わなければならなくなります。総辞職、解散はともに内閣総理大臣が決める事となっています。