格式の高い料亭やお茶屋さんでは、「一見(いちげん)さんお断り」とすることが多いです。一見さんとは「初めて見る客という意味」で「通りすがりの客」のことをいいます。反対語は常連さん、あるいはお馴染みさんといいます。
一見さんお断りの店は看板らしいものがありません。これは通りすがりの客を相手にしないから、看板は必要無いわけです。常連さんは店の場所は承知していますから。
初めて行った店で断られるというのは決していい気持ちはしません。しかし、店のほうでも決して「よそ者」扱いしているわけではなく、常連さんを大事にするゆえの処遇なのです。
一見さんお断りの店は、概して価格は高いです。クレジットカードを扱っていないことも多く、支払いは現金ですが、むしろ「つけ」で払う客も多いのです。そのときに勘定が確定していないこともあるからです。
値段もわからない、勘定がつけであることが常である店であるゆえに、そもそも一見さんは利用しにくいのです。高額で持ち合わせが無く恥をかかせないという店側の配慮もあります。
また、店からすると一見さんは素性がわかりません。素性のわからない人を店に入れると常連さんにいやな気持ちを与えるかもしれません。店が一見さんをお断りするのは、常連客をより大事にするからなのです。別に意地悪でそうしているわけではないのです。
こういった一見さんお断りの店を利用するには、常連さんに連れて行ってもらう必要があります。そうすれば次にいくときにはもう一見さんではなく、晴れて常連さんとなるわけです。
しかし、こういった明瞭会計で無いビジネスは今度どうなんでしょう。料亭やお茶屋さんなどは脱税しやすい業種の対象となっていますし、その中で行なわれる金持ち要人の商談は談合・贈収賄・闇取引の温床となっています。
実際に一見さんお断りといった店が競争に勝てなくなって減少の一途をたどっている現実をみれば、こういったビジネスはもう時代ではないのかもしれません。
インターネットでもSNSが一見さんお断りですね。招待されないと入れないコミュニティサイトでmixiが代表格。しかしmixiも会員数が多くなりすぎて既に荒れているようです。